あらすじ
白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う。
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Posted by ブクログ
途中からどんどん引き込まれた。
散りばめられた場面がどう繋がっていくのか楽しみ。不法投棄については確かにそうだと気付かされた。今の時代は改善されているかはわからないが、生産ラインが増えてるのに捨てる場所は増えないという問題。誰かがしないといけない仕事。
政界も絡む巨大企業に3人がどう立ち向かっていくのか下巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
あの…また天才を発見してしまいました…
読み始めからずっと面白いのすごい…(語彙力なし)
小説って壮大な物語でもだいたい登場人物が固定されていて主人公目線で語られていく感じだけどそれがないの。
全ての登場人物がどこかで交わって人生の物語が交差していく過程であの時のあの瞬間や何気ない選択が底支えとなって進んでいくので、小説って言うより映画やドラマみたい。と思ったら太田さんって脚本家なんだと納得。
通り魔で犠牲になった印刷工場のおじさんの奥さんのくだりとかなぜかちょっと泣いちゃったんだけど、本当に何気ない日常と事件の描きかたが天才すぎる。
あと「にんじん」のくだりで「アァァァァァァァァッ!」て声でた(バスの中です、落ち着いてください)
博覧強記の鑓水推しですが…あの松本駅で道聞いてきたヤツ怪しいんだよなァ…あれ絶対滝川でしょ!?
となると家帰らないで〜〜
Posted by ブクログ
⭐︎3.9
・駅前の通り魔事件。一見無差別としか思えない事件の裏、大企業の陰謀や乳児を襲う謎の奇病などとんでもない事実が隠されていて、良い意味でなかなかにしんどい上下900頁だった…。
被害者5人の共通点の有無や事件の生き残りである修司が執拗に命を狙われる理由など、魅力的な謎が散りばめられていて読む手が止まらず。
登場人物たちの心理描写もとにかく丁寧で、メインの人物はもちろん、それ以外の人についても深く描かれるので、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。
丁寧すぎて、冗長に感じる部分も多かったかな。個人的には読みやすいというよりはじっくり物語の重みを味わえるような作品だった。
Posted by ブクログ
順番がバラバラになってしまったけど、鑓水・相馬・修司の3人が登場するシリーズの一作目。序盤から駅前広場で5人が襲われる無差別殺人が起こるという衝撃的な事件から始まってすぐに物語に引き込まれる。2、3作目をすでに読んでいるので3人が無事なことは分かっているものの、酷い目に遭うことも分かっているため読み進めるのがめちゃくちゃ辛い。でも先の展開が気になる、というジレンマ。少しずつ離れていた点と点がつながっていき、上巻終盤では3人が新事実を知って、、という一番気になるところで終わり。はやく3人の逆転劇が見たい!
Posted by ブクログ
幻夏が面白かったので!
3人の馴れ初めはこんな感じだったのかと確かめるように読んだ。
詳しい感想は下巻の方で書きますが、大企業の隠蔽体質や政治家との癒着は日常茶飯事であり、私たち市民に目に見える形で発覚するものは氷山の一角に過ぎないのだと思い知らされた。
税金が上がっていく世の中で、法人税だけが下がり続ける社会はどう考えてもおかしいと常日頃思う。
国の経済力をカを考えると、どうしても大企業のご機嫌取りが欠かせない事は理解できる。
現に、円安もグローバル企業にとってはむしろ好都合であり、その点も含めて市場介入に慎重にならざるを得ない。
『犯罪者』もメッセージ性のある社会派ミステリーで病みつきです。
Posted by ブクログ
2005年春、駅前広場で5人が刺殺される通り魔事件が発生し唯一の生き残り修司は謎の男に「逃げる。あと10日生き延びれば助かる」と忠告される。直後、謎の暗殺者に襲撃された修司ははみだし者の刑事相馬に命を救われ、彼の古い友人である鑓水のところに匿われる。修司の生き残りをかけて真相を探る三人。襲われた5人の共通点が巨大企業タイタスフーズのトラックによる不法投棄の目撃者であると突き止めた修司は、不法投棄を行った産廃業者真崎の故郷長野にいる友人杉田の元へ向かう。
修司を狙う男は何者か、真崎はどこへ消えたのか、乳児を襲う奇病メルトフェイス症候群と大企業タイタスフーズのつながりは?謎が謎を呼ぶ展開にハラハラしっぱなし。頭の回転が早く冷静で行動力のある18歳の建設作業員修司、不正に手を貸せず署内で浮いている窓際の刑事相馬、飄々としながらも知恵者で頼れる鑓水、三者三様の主人公たちが魅力的。