あらすじ
囲碁のプロ棋士に勝つ、クイズのチャンピオンに勝つ──、人工知能(AI)はこうした特定分野で象徴的な成果を上げてきました。しかし、最近ではAIが人々の生活や経済活動を改善して、世の中を変えていく可能性を示す実例が次々と出てきました。
例えば、米グーグルは、AIを使った「Google翻訳」の精度を大きく改善し、長年「実用的ではない」と言われてきた機械翻訳を日常生活では十分実用的なレベルへと引き上げました。また、同社はデータセンターにおけるサーバーなどの冷却電力を40%も削減しました。これもAIを活用して空調や窓の調節・開閉など約120の要素を制御し最適化した成果です。
大手IT企業は次々と、画像認識、音声認識、翻訳といったAI機能を安価に提供し始めており、いわば「蛇口をひねればAIがすぐ使える」時代が間もなく到来します。
このAIの進化をけん引するのが、脳の神経回路が仕組みの原点にある「ディープラーニング」という技術です。本書では、グーグルのエンジニアらへの取材に基づき、このディープラーニング技術をやさしく解説。また、将来のビジネスがどう変わるのか、グーグルのサービスや日本企業の取り組み事例から探るとともに、その未来の姿に迫ります。
序章●ディープラーニングがすべてのビジネスを変える
1章●超入門 人工知能と機械学習とディープラーニングはどう違う?
2章●入門 ディープラーニングの仕組み
3章●グーグル事例編 グーグルのディープラーニング活用事例
4章●企業事例編
5章●活用フレームワーク編
6章●将来展望編 ディープラーニングが課題を解決する未来へ
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Posted by ブクログ
2023年11月付近からPythonを使い始めて、機械学習やディープラーニングについて知りたいと思ったので、手頃そうなこちらを読んでみました。
全6章で、1,2章は機械学習やディープラーニングの仕組みについて、3~5章は実例、6章は将来の展望についてといった構成になっています。
2017年の本で、現在も進化し続けている人工知能絡みの本としては、かなり古くなるのですが、技術についてはほぼ触れておらず、概要から仕組み、実際の運用実例等の話のみなので、内容が古くとも特に問題は無さそうです。
機械学習とはなんぞや、ディープラーニングとはなんぞや、どういったことに使えるのかということを知りたい人には良いのではないでしょうか。
3章でgoogleでの実例や、テンソルフローの紹介もなされています。自分は調べていないので、今どういう状況なのかは知りませんが、テンソルフローに手を出すかどうかを悩んでいたので参考にはなりました。
個人的には1章2章の仕組みの話が重要でしたね。この辺に手を出したいなと思っても、何から手を付けるか、具体的に何をするかの手がかりにはなりました。とりあえず、現状としては自分で使う活用事例が思いつきませんでした。
4章5章の実例編は車種判別などの画像診断、音声によるAIチャットなど、今でも十分活用事例のサンプルになりそうなものですね。
本の型が大きく、さらに文字も大きいので、文章量は少なめで読みやすいです。
1時間~2時間程度でさくっと読んで、機械学習やディープラーニングの表面を知るのに良いのではないでしょうか 。