あらすじ
祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、20歳の頃から13年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。遼平の祖母から屈辱的な扱いを受けつつも、その傍に居るのは、ある事件の贖罪のためだった。雅雪の隠してきた過去に気づいた遼平は、雅雪を怨むようになるが……。愛と憎しみの連鎖の果てに、人間の再生を描く衝撃作。本の雑誌『おすすめ文庫王国2017』第1位!
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Posted by ブクログ
はじめての作家さん。
なかなかに重い内容。でも読後余韻がすごくてしばらくぼーっとしてしまった。
登場人物それぞれが辛い。
愛情と憎しみのどちらに転んだらいいか分からず自暴自棄になっている遼平痛々しかった。
雅雪の償いは自己満足のようにも思えるけど、それでも悲しい結末にならなかった事で安心した。
Posted by ブクログ
⭐️3.5くらいの気持ち。
ただひたすら重かった。
文枝と郁也、双子の母親がどうしても好きになれない。
雅雪に関しては当人でもないのに何もそこまで贖罪する必要は無いんじゃ…って気はしたけど不器用すぎる人なんだろうな。祖父が悪い。
分かるけど…
雅雪の気持ちは分かるけど、ちょっとそこまでするのは逆になぁ。許せないと言うのは娘夫婦が亡くなったことに対してじゃなくて雅雪のそこまでの態度に対してじゃないのかなぁ。
Posted by ブクログ
愛憎劇という言葉がぴったりで、
テレビドラマを見ているかのような感覚で、ページを捲る手が止まらない。
庭師である雅雪は、遼平という親のない子どもを支援している。
しかし、前半は支援している理由は明かされず、さまざまな痛い展開が満載。
後半になってから、この物語は雅雪の成長と葛藤を描くものだとわかっていく。
愛と憎しみ、持てる者と持てないものの埋められない溝。
その中で苦しむ人たち。
悩むだけでは先に進めない。
でも、進んでしまったら後には戻れない。
その先のちょっとしたボタンの掛け違いから起きる悲劇。
他人の不幸は蜜の味。愛憎劇のメンターテインメント。