あらすじ
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「人間に器官なき身体をつくってやれるなら、……その真の自由にもどしてやることになるだろう」アルトー最後の、そして究極の叫び、『神の裁きと訣別するため』、自身の試練のすべてを賭けて「ゴッホは狂人ではなかった」と断言し、あらゆる境界を爆破する、三五年目の新訳による『ヴァン・ゴッホ』。アルトーの思考を凝縮した記念碑的名著二冊を集成。
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Posted by ブクログ
「ほんのまくら」で買った一冊。非常に興味深くて驚いた。『神の裁きと訣別するため』と『ヴァン・ゴッホ 社会による自殺者』収録。
アルトーの、精神と身体の乖離に対する煩悶が強く伝わってくる。訳も良い。狂っているのは、私か、あなたか。ゴッホは狂人ではなかったと言うアルトーは、果たして狂人でなかったかどうか。おもしろいと思う。
Posted by ブクログ
とにかくもがいている。まるで身体中を這いまわる蛆を無我夢中に払おうとするかのように。彼の表現しているのは、叫びそのものだ。その叫びに一生懸命に意味を加えようとしている。まるで、助けを求めるように、彼は叫び続ける。それは命そのものがそのトランスから、必死に逃げようとしている。いや、外界の絶え間ない何らかの刺激から、必死に耳をふさぎ、叫び声をあげている情景だ。それでも、彼が完全に狂気に陥らなかったのは、そういう感情を誰かに伝えようとする意志があったからだと思った。とにかく、強烈でした。
Posted by ブクログ
鈴木創士さんは「ジャック・ヴァシェ大全」の帯文を書いておりその巡り合わせに少し驚いた。さてアルトーは大衆に向けてラジオで(ラジオ!)作品を朗読者を引き連れて番組にしたり、ゴッホは社会の犠牲者だと述べている。抽象的なので難解ではあった。