【感想・ネタバレ】いずこよりのレビュー

あらすじ

「出家遁世と放浪は、いまや私のもっとも深い憧れとなって、心をそそのかしてくる」(本文より) 明るくのびやかな少女期から、短い結婚生活を経て、家も子供も捨てて奔った激しい恋。やがて自立の道を求めて一途に文学に志し、いつしか出離の想いに促されるまで。自立する女の新しい生き方を自ら切り拓いてきた著者が、その波乱の半生を鋭い自己凝視で綴る自伝小説の傑作。

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Posted by ブクログ

平凡であるか非凡であるかの境は、どこまで日常を容赦なく捨てられるかにかかっているのではないかと思わせる。何もかも捨てる。そんなことは誰にでもできることではない。晴美の人生は絶えず選択と消去の繰り返しだった。「どうせ自分から捨ててしまった安穏と平和なら、私はいつでも二つの道に迷う時は、進んで困難な方を選ぼうという決意をつけた」見事だ。これほどの女だからこそ、捨てることが許されるのだ。

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2009年10月04日

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