【感想・ネタバレ】日本人の9割が知らない遺伝の真実のレビュー

あらすじ

◆ゲノム編集、クローン技術、iPS細胞……、21世紀は遺伝子の世紀だともいえそうだ。
いま注目の「行動遺伝学」からわかってきた、遺伝と環境、才能と努力、本当の関係!
ベストセラー『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(橘玲)を読んで面白いと思った人はさらに面白がれる!

◆行動遺伝学の第一人者が明らかにする!
教育学では、遺伝と学力の関係を無視してきたが、「知能指数は80%遺伝」という衝撃をどう捉えればいいか?
身長や体重など身体的な特徴だけではなく、IQや性格への遺伝的影響も大きいことがわかってきた。ならば、勉強することには意味がないのか?
しかし、遺伝的なものが自発的に発現するとは限らず、教育環境も重要である。

◆「ヒトは生まれてから成人に向かうにつれて、さまざまな環境にさらされて、さまざまな経験を積むなかで、だんだんと遺伝的な自分自身になろうとしている」、すなわち「年をとるほど遺伝の影響は大きくなる」という現象なども見いだせる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

結局、人の形質は遺伝と非共有環境で決まる。
つまり、才能は遺伝と運で発現する可能性がある。

印象的なところは一卵性双生児の収入の差について言及したところだ。これは、一方が大学に行き、一方はそのまま働いたとき、その後の収入の差はどうなったかという研究だ。ここで示されたのは、年がたつにつれ収入はほぼ同じになったということだ。つまり、収入については、どのような環境に身をおいたからその収入に行き着いたわけではなく、遺伝した能力が年をとるにつれ、顕になっていることが示された。

結局、遺伝によりきまるので、どれだけ自分が頑張るかも遺伝子に刻み込まれているのかもしれないと思った。

また、それほど遺伝が人生に影響を及ぼすなら、親の才能や能力について分析することで自分の才能や能力の発現のヒントになるのではないかと思った。



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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書に記載されている、遺伝による決定要素と環境的な要素の割合について、どちらを多いと思うだろうか。これは人によると思う。
才能にも言及してあり、その発現時期はまだまだ不明であり、発現原因も容易には解明できない。
しかし、誰しも才能があるとメッセージは感じられ、関わる環境(人や生活様式など)がどのように影響するかは分からないが、子供自身が希望を持って粘り強く行動出来る機会を与えることが大事だと感じた。

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

向かないことを頑張るよりも、自分自身の特性を伸ばし活用していくことが重要だと感じた。
自分にとって何が向いているかということを知るために、様々な経験が必要だと感じたし、将来子供ができたときには様々な経験をさせたいと思った。

歳をとればとるほど、遺伝による生まれ持ったその人らしい特性が発現してくると言う記述にはとても共感ができた。
親元を離れて暮らすようになってから、5年以上が経つが、年々行動が親に似てきていると感じている。
親に対して尊敬できるところはあるが、親のようにはなりたくないと思っているので、複雑な気持ちでいる。
私は遺伝に抗っていきたい。

筆者は向いていることを頑張れよと主張しているが、この発想が行き過ぎるとガンダムSEED destinyのデュランダル議長になるのではないかwと思ってしまった。笑

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2024年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者自ら「橘玲さんの『言ってはいけない』の便乗本」とおっしゃっているところに好奇心が湧き、積読リストに入れていました。
『言ってはいけない』のインパクトは強烈でしたから。。

行動遺伝学の双生児研究(一卵性双生児と二卵性双生児の類似性の比較)により、人間の身体や知能、性格、才能などが環境や遺伝にどの程度影響しているのかの研究結果を紹介し、行動遺伝学に基づき、今後の社会をどのように作っていくべきかの提案もされていました。
これらが形成される要因は、遺伝、共有環境(双子が共有している親との家庭環境)、非共有環境(双子が共有しない親以外の友人などの人間関係・学校などの環境)の3つで構成されるそうですが
・身長・体重・指紋などは90%以上が遺伝であるのに対し、
・知能(IQ)は遺伝50%、共有環境35%、非共有環境15%で決定されるとされているが、歳を追うごとに遺伝の影響が大きくなるとされ、
・学業成績は遺伝70%、共有10%、、非共有20%
・神経質、外向性、同調性などの性格は遺伝50%、非共有50%で共有である家庭環境はほとんど影響しないとし、
・音楽や執筆、数学スポーツなどの才能は軒並み遺伝が80%を超え、残りは非共有となる
・統合失調症、自閉症、ADHDなどの発達障害は、遺伝が80%を超えるのに対し、うつ傾向だけは遺伝が40%。残りは非共有
・アル中やマリファナ、煙草などの物質依存は遺伝50%、共有・非共有が概ね25%程度、ギャンブルだけは遺伝50%、非共有50%で家庭環境は影響ない
としていました。

家庭環境による影響が意外と少ないこと、逆に遺伝による影響が大きいことは先述の橘さんの本で読み知っていましたが、ふつう長く生きていれば、それだけ環境の影響が大きくなりそうな気がするのに実際には、長く生きるほど遺伝的素質があぶりだされてくることに一番驚きました。

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2022年03月21日

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