あらすじ
「ムジの知」とは――MUJIの秘密を徹底解明!
●「一番普通の形」にする
●人が本能的に「心地よい」と感じるものを作る
●「余白の力」によってそのまま世界中で売る
●最大公約数が満足する「これ『で』いい」を目指す
●「それ以外」をすべて市場にする
●「個性の一歩手前」で止める
●「選択と集中」はしない
●「1+1=1」にする
●「わけ」を伝える
時の流れを超えていく、シンプルで地球大の思考法。
MUJIの商品が世界的な普遍性を持っている大きな理由はシンプルさにある。
そのシンプルさとは、使い勝手の良い「一番普通」の形を目指したデザインである。
だからMUJIは、世の中のいろいろなブランドに対して、「特徴がない」ことが特徴となれるブランドなのである。
MUJIが世界中の文化の壁を越えていける理由もここにある。
いろいろな文化を背景にしたブランドがたくさんある中で、「それ以外」を市場にしているMUJIの競争の仕方は、とても秀逸だといえる。
「それ以外」というポジションは、文化の壁だけでなく、時の流れも超えていける。
多くのブランドは流行を追う。MUJIは普遍を追う。
シンプルで地味な商品かもしれないが、だからこそ時代遅れにならない。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文化人類学や社会心理学や空間デザインなど様々な観点からMUJIについて語っていて、面白かった。
たとえMUJIに興味がない人でも、これを読めば店舗での商品やその見せ方が気になって見に行きたくなってしまうだろうと思う。私は見に行きたくなった。
世界を隔てる4つの隔たりの話や、西洋東洋で別れる自然や美術との関わり方、MUJIに通じる禅や茶道の「余白」の概念や、エキサイティングな幸福感と穏やかな幸福感の話など、本当に色々な話が聞けて面白かった。読んでいてちょっと博識になれた気がする。
Posted by ブクログ
無印良品というブランド、良品計画という会社が今まで以上に好きになった本。
・これ「が」いいではなく、これ「で」いいにする
・個性の一歩手前で止める
コンセプトも聞いていて肩に力が入っておらず、心地いいなと思うものばかり。
しかし、ふわふわしているだけではなく、「MUJI」とは何かをとことん考え抜き、「なぜ」を繰り返し、世界中の人に愛される商品を生み出し続けている。
次に無印良品に行った時に、少しちがう視点で店内を歩くことができる。楽しみ!
Posted by ブクログ
経験と理論の両方の視点からマーケティングについて語られている。そして、マーケティングの根本には理念やビジョンといった抽象的な概念に対する理解・共感がなされていることが大切である事をMUJIの商いを通じて実感させてもらえた。
Posted by ブクログ
・MUJI式世界で愛されるマーケティング
なぜ?と物事を疑う癖をつける(前提から疑う)
細部にも妥協を許さない
商品1つ1つにブランドがあるわけではなく、無印良品としてのブランド価値があるからこそ、
どんなに売れそうな商品であっても、無印が出すべき商品なのか?
この視点を忘れずに商品開発をしなければならない。
ポジショニングや経営戦略において、MUJIは一般的なブランドと反対のことを行なっている。それがMUJIのブランド価値を生みだしている。
他社がやっていることと同じことをやっても、同じような結果しか生まないし、模倣される。→価格競争に巻き込まれる。
Posted by ブクログ
無印良品の基本的なマーケティングをわかりやすく説明してくれている本。
ブランドではなく「商品そのもの」で勝負する頑固でありながら「ものの本質」を極めて販売したところに無印の凄さを感じます。
最後の方では筆者の無印良品への愛も感じられた。
Posted by ブクログ
この本を読んでいる間に、無印良品の店舗に足を運び、確認し、この本に記載のあった商品を購入してしまった。以前から、MUJIに関する記事や本はよくあり、なんとなくそのブランドについては理解しているつもりであったが、中で働いていて、マーケティングを教える立場の人が書いているので、より良くわかる。
Posted by ブクログ
普遍を追うMUJIのものづくりの哲学を知ることができてとても面白かった!「これ『で』いい」の精神は消極的なイメージがあったけど違うんだなぁ。尖った層に刺さるのではなく広く多くの人に刺さる機能的な製品をつくる、デザイナーがデザインしない、などの新鮮な考え方がたくさん出てきて、刺激を受けた。茶道や禅の日本的な精神があるということも気づいていなかったが、確かにそうだ。無印良品がもっと好きになれる一冊。
Posted by ブクログ
無印良品の商品開発やコンセプトなどの考え方について知ることができ、ものづくりの参考になりました。
より深く、裏側まで知ることで、無印良品の良さや凄さを感じられて、もっと好きになりました。
Posted by ブクログ
今やグローバルブランドとなりつつあるMUJIの成功の秘密。2016年2月時点で、国内412店舗、海外344店舗だという。
多くのブランドは流行を追うが、MUJIは普遍を追う。だからこそ、時代遅れにならない。シンプルで自然であることが価値であり、基本方針である「感じ良いくらし」の実現を目指している。
「これでいい」というMUJIの思想は、ターゲットセグメントを設定してその人達にとっての「これがいい」を追求するマーケティング的な発想とは異なる。
Posted by ブクログ
MUJIがMUJIらしくある本質を垣間見られる本。どの業界でも通用するような本質を掴み、独自の手法で体現しているようだ。マーケティングに関心がある人には刺激を受けるとは思うし、その事が腑に落ちる気もするが、自らがこの取り組みにあたってのヒント的な部分は、薄味なのである。気になる所を頭にたたき込んで、あとは自分の脳みそコンピュータの活性化を願うばかり。
Posted by ブクログ
MUJIの良さをマーケティングの諸理論で解説しているが、実際はマーケティングの諸理論をMUJIの事例を活用して説明しているとも考えられる。MUJIという特異性のあるグローバル・ブランドをマーケティングの視点で見ると非常に興味深い。