【感想・ネタバレ】玉虫と十一の掌篇小説のレビュー

あらすじ

男はもうここに戻ってくることはないだろうと女は思った――。三年間、食事をともにした男との永遠の別離を描く「食卓」他、恋によって炙り出される男と女の孤独が、かなしさとせつなさを孕んでゆらめく十一篇。短篇よりも短い「掌篇小説」には、小さく切り取られているがゆえの微妙な宇宙が息づき、無限の時間へと読む者を誘う。長篇よりもいっそう濃密な闇と静謐な光を湛えた作品集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

掌篇小説とは,英語でshort short。
人名の固有名詞なしの小説群

食卓
千年烈日
一炊の夢

いのち滴る
死に水
妖かし
飼育箱
玉虫
さびしい

短いあとがきにかえて

「午後のロマネスク」の「短いあとがきにかえて」に
川端康成の作品集に「掌の小説」と題した1冊があるとのこと。
超短編小説ばかりを100編以上集めたもの。
小池真理子の愛読書とのこと。「掌の小説」に敬意を表して「掌篇小説集」と名付けることにしたとのこと。
「午後のロマネスク」では17枚の版画が配してある。
本書でも版画があるとよかったかも。

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2012年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017年、47冊目です。

「声」という短編は、谷崎潤一郎の「春琴抄」を連想してしまいます。自らの視力を無くし、醜いものを見まいとする男性の心理は共通のものか?

0
2017年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性だけでなく、男性の情念も昏く重くて。
埋み火のように意識の底で燃え続けていても、日々は続いていってしまったりするので。。
ほとんど不倫の話だ…と思いました。相手を壊し、自分も壊され。結婚した後でも恋する事はあるだろうけど、一歩踏み出すか留まるかだけなんだろうな。踏み出すからには何が起こっても受け止めてる人が大半なので信頼できます、小池真理子作品。
「一炊の夢」「妖かし」「一角獣」が特に好きでした。
他の方の感想にもあったけど、「声」は「春琴抄」を思わされました。女の声の美しさと顔の醜さもこの男だけそう思ってるかもしれなくて、実際は全然違うかもしれないと考えると業が深い。

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2024年11月27日

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