あらすじ
「彼女の頬を、マウスカーソルで撫でた」「白ブリーフの落とし主は永遠に見つからない」「ヒーローたちの利害は複雑に絡み合っていた」「担任に好かれている吉田と、ただの吉田がいた」――提示されるのは冒頭だけ。続きは読み手のイマジネーション次第の自由な文学、「書き出し小説」。416本の異なるストーリーがあなたを魅了する!
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Posted by ブクログ
以前読んだ『書き出し小説』の続編。
デイリーポータルZで連載されている企画が元になっている。
ネタバレになるが今回のお気に入り。
「自分のせいで、人文字は少し意味が変わった。」
「「ここは任せとけ」そう言った父は、すでにクレーマーの顔になっていた。」
「自分の名前を「キャー!」だと思っていた。」(テーマ・虫)
「遠くから間違った名前で呼ばれている。」(テーマ・恥)
「ゾンビらしいことは何一つしてやれなかった。」(テーマ・ゾンビ)
視点の位相、耳慣れた自然な言い回しの中にある違和が可笑しい。
Posted by ブクログ
クスッと笑わせて頂きました!こちらの創作を意欲を刺激されるものも沢山ありました。吉田がテーマの書き出しも言葉にしにくい面白さがありました。面白いもの、興味深いもので溢れていました。読めてよかったです。
Posted by ブクログ
小説の1行目、1文目ってなんやゾクゾクさせてくれるよね。たった1行で、主人公がどんなやつか、どういう状況にいるのか想像できるものもあれば、「どういうこっちゃ!」と先を読み進めたくなるものもある。
好きだったのを以下に。
「挫折を経て、猫は丸くなった。」
「音楽性の違いで解散した三人は、同じ工場に就職した。」
「迂闊だった。褒め上手を敵に回すとどうなるか、ちょっと考えれば分かったはずじゃないか。」
「五の倍数に対してすら素直になれない日もある。」
「全てを失ったが、残尿感はある。」
「ユニクロに行くためだけに着る、ユニクロではない服を用意している。」
「人が避けた席には、それなりの理由がある。」
「誰かと戦っている内は、自分と戦わなくていい。」
「彩度の低い部屋でグリーンピースが目立っている。」
「全員かかってこいよ。鍵を掛けたアカウントでつぶやいた。」
「そう、いつだって鮭フレークはこんなふうに余る。」
「二次会になって互いの薄毛に触れはじめた。」
「初めてのキャラメルフラペチーノに、利休の心は震えた。」
「揉みたいものがまだ、友の睾丸だった頃だ。」
「先週の飲み会を思い出しながら走り、自己ベストを更新した。」
「怒っている童貞で、暖をとった。」
最後のやつとかどういうことやねん。うちも書き出してみたくなったわ。