あらすじ
女子高生のきよ子が公園で出会ったのは地面に首まですっぽり埋まったおじさんでした――「私、死んじゃったんですよ」“シチサン”と名乗る悩みを抱える気弱な幽霊と今どき女子高生の奇妙な日々が始まった。
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Posted by ブクログ
キエちゃんがとてもいい味を出しています。正直最初の公園から入院のあたりまではちょっと退屈でしたが、最後のあたりでキエちゃんが大活躍するところはよかったかな。ハムスターとのやり取りも面白かったです。
Posted by ブクログ
私の好きな小説家として小嶋陽太郎を挙げておきながら、デビュー作を読んでいないというのはさすがにまずいかと手に取った本作。
やはり小説家として書いている最近の作品と、「とにかく書いてみた」という感じの本作とでは大分方向性や作品のレベルが違う。
まず、序盤の純文学かと勘違いするような言葉の羅列に戸惑った。
中盤以降はエンタメ寄りの文章に落ち着いていくが、これは序盤だけ印象付けるための策だったのか、それとも力尽きたのか。
味があって構わないのだが、他の作品にはほとんど見かけないところからすると、自分の作品には合わないと判断したのだろうか。
そして、主軸となるテーマ・主張が最近の作品に比べるとぼんやりしているかと思った。
あと、きよ子の入院中と退院後で別の話のようになってしまっているのも、今ならもっとうまく構成できそうだ。
でも、世間と少しずれているけど自分なりの芯を持ったキャラクターの片鱗がキエちゃんに見えた。
文庫版には本編「気障でけっこうです」のあとにキエちゃん視点の「ハムスターと私」が収録されていて、より彼女の内面に迫れるようになっている。