あらすじ
日本企業がおこなっている新卒一括採用は悪なのか? この一冊ですべてが分かる。
「お祈りメール」という言葉をご存知ですか。就職活動生に対して企業が不採用を告げるとき、
メールの末尾に、「今後のご活躍を“お祈り”しております」と、慇懃な定型文を付けること
から付いた、不採用通知の“愛称”です。
なかには何百回も“お祈り”されてしまい、人格を傷つけられたと思ってしまう学生も。
そもそも、「新卒一括採用」というのは世界では珍しい形態です。
なぜこの仕組みは成立したのか? 企業はなぜ日本型雇用に拘るのか?
欧米のようにサービス残業の無いジョブ型社会にすれば良いんじゃないか?
――色々な声が聞こえます。果たして問題の核心とはなんなのでしょうか。
本書では歴史を振り返り、データをみて、海外と比較をした上で「採用問題」を解き明かします。
著者はドラマにもなったマンガ、三田紀房「エンゼルバンク ドラゴン桜外伝」に登場する
「雇用のカリスマ・海老沢康生」のモデル、海老原嗣生氏。
本作では新卒採用に焦点を絞って分析し、ついには大学改革まで視野を広げた決定版!
豊富な図版と平易な語り口で、難しいテーマが、この一冊でマル分かりです。
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Posted by ブクログ
タイトルはともかく、おすすめ。
就活の問題は、学業抵触、3年次の成績評価の組み込み可能性、留学阻害要因化。
日本、アメリカ、フランス+ドイツとオランダのシステム比較。
企業は就職ナビのオープン前に募集できない。ナビオープンで内定までどっと雪崩れる。大学の考査期間は一時休戦。説明会の繰り返しが学業阻害要因。インターンシップの名を借りた就職説明会代行が抜け道。
企業に成績パスを用意させる。GPA3.5とか。大学は説明会を重視せよ。ナビに10月以降は一日インターンを一時掲載不可にする、ナビサイトオープンを12月3週にする。
日本型就職をどうにもできないという前提のもとに、忍耐力継続力、論理構成力、聞く話す、仲間とうまくやる、マナールールの遵守を学生時代になんとかせよと。レポートに赤入れびっしりやれと。うーん。ジョブトライアル。試行採用3か月、非正規長期化はダメ。職業訓練として、転職回数に入れない。仕事、勤怠を企業は記録、提出して助成金をもらう。
Posted by ブクログ
不景気になって新卒の就活が大変になると巷間で囁かれる、”日本新卒一括採用を変えなければならない”とか”グローバルスタンダードの導入”、欧米に習った”同一労働同一賃金”の実現だとか、それで全てが解決するんならなぜさっさとやらないのか。単に守旧派・保守派の抵抗なのか。本書は、タイトルがキワモノ的な割には真面目にその辺の疑問、フラストレーションを解消すべくしっかりと解説してくれる一冊だった。本書を読むと、就職・就活というのは社会全体のシステムとも当然関連しているわけで一部分だけ簡単に変更できるようなものではないと言うことが理解できる。企業にとって新卒一括採用には新卒一括採用なりの大きなメリットがあるし、新卒や社会にとってもメリットはある。そのメリットを捨てるのは社会がガラッと変わらない限り難しそうだ。
本書では、日本の”就活”システムの近代から現代までの変遷とその歴史、西欧諸国との比較とその違いからのメリットと問題点、著者の考える今後の目指すべき方向について、簡潔に分かり易く解説されている。著者は学者ではなく、就職業界で実務に携わってき人で、米国や欧州の状況についても現地で体験しているようで、単なる机上の空論ではない説得力がある。さらに本書には、箔づけの意味もあるのか、学者も含めて各分野の識者へのインタビューも掲載されている。
個人的には、欧米、とりわけフランスの就職状況が詳しく理解できたのが大きかった。それとの対比で日本の新卒一括採用がどのようなシステムなのかも良く分かる。
フランスはある意味、能力(や多少は生まれた環境)によるある意味の階級社会が出来上がっているようで、子どもの頃から能力に応じてコースが分けられる。変な夢を見せて人々を駆り立てるわけではなく、それこそ「分相応」「身の丈」に合わせて生きていくしかない、ある意味割り切りやすい親切なシステムかもしれない。それがあって初めて職能による採用があり、同一労働同一賃金なのかも。日本はそれと逆で、原理的には誰でも組織で昇進可能だという夢を持てるが、その分、夢を見ている限り仕事に駆り立てられ、ブラックにもなりやすい。著者の指摘にはとても納得させられるものがあった。
Posted by ブクログ
基礎能力と将来性、肌合いでの採用になっている
肌合い重視のため、新卒未経験を取りたがる
成績重視はできない。GPAがバラバラ。
インターンシップの目的
社会人生活を知る、会社仕事内容のカタログ、職務のミスマッチ削減、風土のミスマッチ削減、職業訓練。
日本型雇用慣行
年功序列、企業内組合、終身雇用、メンバーシップ型
日本型だから、取締役が一人抜けても、新卒を一人採用すればよい。配置転換が自由、昇格がある。社内のモチベーションを保ちやすい。
OJTで育てる=なれたら難しい仕事をさせる。欧米ではポストの変更は難しい。
仕事を決めていないから、無くなっても解雇はできない。無限定社員の雇用を守るため、残業と賞与がある。
日本型雇用の改善点
卒業後に就職を考える。大学時代に交互教育でキャリアを考える。時期にとらわれない採用。職務別の雇用形態。
職務別と職種別採用は違う。
日本では経理事務は仕事の入り口、欧米では経理事務についたら一生事務。誰でもエリートを目指せる。非正規にしわ寄せ。フランスでは、早いうちにエリートとそうでないものに分けられる。
日本型雇用は使い勝手がいい。
日本の同友会インターンシップは受け入れ人数が少なすぎる。社員総数1万人に対して70名。本気でない証拠。
採用直結にすると、一括採用が一括インターンシップに代わるだけ。
日本では採用基準が、基礎能力と人間性だけ。だから採用時期はいくらでも早められる。学業の達成との連関性はない。
職種別採用にすると、大学でそこまで教えられるか、の問題になる。
日本型は、誰でもが出世できる幻想がある。だから長時間労働になりやすい。しかし入り口で差別することに耐えられるか。
高卒求人は1~2割に減少。大学教育のジレンマ。
学費が私立理系100万、私立文系70万、国公立50万とどこでも同じ。
欧米は、人生の早めに答えを出させる=エリートになれるか否か。日本社会は階段を上がることが、雇用側も働く側も前提。