【感想・ネタバレ】タイムボックスのレビュー

あらすじ

世界の始まりの国・パンゲアで、中に入った人間の時間を止める魔法の箱がつくられた。王様は愛する姫を箱に入れて、いつまでも若く美しいままでいられるようにする。やがてその箱は王や姫の運命を揺さぶり、世界のあり方を大きく変えることに。そしてその呪いは、はるか先の現代にまでふりかかることになるのだった……。時空を超えた壮大な旅を通して、ほんとうの幸せや豊かさに気づかせてくれる1冊。

アイスランドで国民的人気の傑作ファンタジー!
フィリップ・K・ディック特別賞受賞の著者による最新刊

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幻想

長いながいファンタジー。
幻想的で,残酷で,悲しくて,道徳的。
宗教的で,哲学的。

あまりにも悲惨な運命を辿ったオブシディアナ姫。
時間を征服することとは,天国に行くことなのかもしれない。

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2021年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アイスランド文学賞を受賞した、との事前情報なしで読めばよかったかも。
いきなりフケイキが終わるまでタイムボックスに逃げ込む選択をする大人たち。はて?タイムボックスに経済危機が去ったと知らせるのは誰なんだろう。
昔話風に始まる今はないパンゲア国のオブシディアナ姫の物語。父のディモン王は妻に先立たれた悲しみを癒すため、動物に人を襲わせてはならぬ、という戒めを破る。更に姫を大切に思うあまり時間を止められる箱に姫を閉じ込める。そして世界征服のため、戦いに明け暮れる。
オブシディアナ姫は何も聞かされず、箱から出る度にどんどん周りの人たちは歳をとっていく。知らぬ間に再婚していた父王と新しい王妃の間には2人の妹も産まれていたが、もはや自分より年上になっていた。アノリという少年が味方となってくれるが、アノリにも事情があって、なかなか会えない。
どんなブラックジョークだ、と感じた。姫の恐怖というか焦りというか、その事だけが気がかりで途中から一気に読んでしまった。最後の部分は一番大事だと思われるのだが、おまけ程度しか書かれてなかった。グレイスがどんな時を過ごして、何を考えて、シグルン達の前に現れたのか、もう少し書き込んで欲しかった。最後は帳尻を合わせて美しく終わるのだけど、作中の物語の中で主体的に動けないオブシディアナ姫に、読んでいて、つい焦れてしまった。
苦しくても他人任せにしないで、子孫のために頑張る大人は今だって多分世界中にたくさんいる。著者の周りにはそういう人がいなかったのかなぁ。


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2025年09月16日

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