あらすじ
カリスマ教育者・松田美昭が作った全寮制一貫校・恭心学園。高い進学実績、ひきこもりや反抗も治ると話題の学園で健康な男子高校生が突然死んだ――。新生・似鳥鶏渾身のダークサスペンス!
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Posted by ブクログ
おそろしい。
これはさすがにやりすぎ、ありえない、と一蹴できない。読み進めるにつれむかむかと吐き気に襲われる。圧倒的なリアリティ。
ただ、これは実際に現実世界で起きている話のあくまで一例に過ぎない。
なぜこういう人間を人間として扱わないような、頭のイカれた教育者(の面を被ったただの犯罪者)が世に蔓延るのだろうか。
許さない。絶対に。
Posted by ブクログ
いとこの突然死に疑問を持つ拓也と相棒の沙雪が、全寮制の私立恭心学園の実態に迫る。
小川くんと山口さんパートの話はかなり強烈。体罰と徹底した管理を容認する学校もだし、寮の中での生徒たち同士のやりとりも。
松田の主張に対して納得できる部分もないわけではないが、ここまで極端な主張を突き通したうえに、暴力と恐怖で服従させても何も解決はしないと思う。戦時中の軍隊とかこんな感じだったんだろうか…
特に怖いと思ったのは、佐川くん親の回想シーンと、それに付随する実際に起きてる周りの親や世間のやりとり。
この話では、とりあえず小川くんと山口さんにとってはハッピーエンドで終わったけど、松田の信念は結局変わらないし、それに心酔する親も一定数いて同じことが繰り返される現実がある、っていう意味では後味の悪い終わり方だなぁと。
Posted by ブクログ
スパルタ教育を行う高校の話。
体罰が常習化し、軍隊並みに規制をされている生徒たち。
そういった学校に入れたいと思う親に対する警鐘を鳴らす作品。
柔道部の練習中に死亡した従弟の死について調べていくうちにその学園の特異性がだんだんと明らかになっていく。
物語は主に「現在その学校に通う生徒」「従弟の死の真相を解明しようとする青年」「学園長へのインタビュー」の三つの視点により展開していく。
体罰により苦しむ生徒の視点は本当に息苦しい。青年が早くこの少年たちを助けてくれないか祈るようにしてページを読んでいた。合間合間に学園長の「体罰というのは悪いものではない。成長に必要なものだ」というインタビューが入るのがまた不気味。
ネタバレですが
最期、101教室という拷問部屋に連れて行かれた少年を青年がやっと助けに入り、少年と青年が出会った時にはほっとした。
でもタイトルにもある101教室。本文ではラストにしか出てこない。もう少しネタフリというか、伏線があってもいいんじゃないかな~と思ったり。でもタイトルにあるからこそのその教室が登場しない不気味さというのもあるのかな?
そして学園が週刊誌により報道され、その後学園長やその他体罰死を引き起こした先生が捕まることになる。学園も閉鎖だったか改善されることになるのだが…
そこでラストショッキングな事実が。
以下、超ネタバレです!
小説冒頭から時折組み込まれていた学園長インタビュー。これが実は事件後、新たな学園を作ったことに対するものだった!
大きな事件になりながらも、やっぱりそういった厳しい学園に子どもを入れたいという歪んだ親はいつの時代にも決していなくならないという…。愛情、支配、教育。現実にもあった戸塚ヨットスクールの話も思いだし、ぞっとしてしまう。
でもエピローグでは学園を無事転校できた少年少女のその後(付き合っているらしい)が、彼らを助けてくれた青年の結婚式に参列するために出かけるという幸せなエピソードで締めくくられていて、後味はそんなに悪くなかった。
でももう二度とは読みたくないかなぁ~。
Posted by ブクログ
スパルタ教育で有名になった私立の全寮制の学園。「学校」という密室のなかで、軍隊よりもひどい「教育」を受け、洗脳されていく生徒たち。そして事件…… 病死したことにされた生徒の死に不審を抱いたいとこたちが学園を調べ始める。
告発までの流れはうまくいきすぎているが、主眼はそこにはない。有形無形の暴力による洗脳教育の恐ろしさ。そこに子どもを預ける「共犯者」たる親たちのエゴイズム。逃げ場のない子どもたちの絶望。そして喝采する第三者たち。
知性ではなく力に頼ることの恐怖がここにある。それを是とする人がいるという事実。昨今の風潮を思うと、現実とかぶる。告発しようとする人たち、彼らに協力する人たちの良識にかろうじて救われる。その分、ラストには暗澹たる気持ちにもなる。闘いは終わらない。