【感想・ネタバレ】身体が語る人間の歴史 ──人類学の冒険のレビュー

あらすじ

人間は他の動物と比べてどこがユニークなのか? 旅好きであり、汎地球的に分布、多様性が著しい──。日本からポリネシアまで、世界をめぐる人類学者が、身体の歴史を読みとき、人間という存在の本質に迫る。

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Posted by ブクログ

 人類学についての基礎的な話。
筆者の言いたいことはまず、『人種』には全く意味が無いといういうこと。コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイドの違いは単に皮膚のメラニン色素の違いだけで、DAN的な違いは全くないとのこと。さらにこの違いは、住んでいる地域の環境によって影響を受けただけで、それ以外の違いはないということである。
 さらに、ポリネシア人についての考察ではポリネシア人の体格がヘラクレスのように筋骨隆々の人が多いが、それは遺伝的に少ない食べ物で効率よく筋肉や骨を成長させることのできる資質を持った人たちが生き残ってきたという結論となっている。
 この本を読んでからジャレド・ダイアモンドの名作「銃・病原菌・鉄」を読めば、さらに人類の発展歴史についての理解が深まると思う。
 最後の章の「明石原人」の話は蛇足だったように思う。

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2019年01月08日

Posted by ブクログ

身体人類学の碩学による、人間の身体の特徴と特性の分析。人間は「考える足」である。よく移動し、よく食べ、よく遊び、好奇心旺盛で、セックス大好き。身体性からみれば人種なるものはほぼ無意味。むしろ「文化的」身体形質のほうが影響は大きい。人種という概念を構築したのが100年前の人類学であり、できあがった人種概念を批判するのが現代の人類学。

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2018年11月23日

Posted by ブクログ

人間はなぜユニークな種であるのか、日本からポリネシアまでを網羅し、特に身体の歴史を読みときながら、人間という存在の本質に迫ている。
本書の中でも人類学が理系か文型かというくだりがあるが、単に人類学という学術的論考にとどまらず、そのクロスオーバー的思考が故か、文章としても結構楽しめる内容となっている。

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2016年11月07日

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