【感想・ネタバレ】殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―のレビュー

あらすじ

5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか? なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか? 執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。

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盛岡の書店で「文庫X」として表紙もタイトルも内容も伏せて販売され、話題となった本作品。書店員さんの手書きPOPで「どうしても読んで欲しい」作品として紹介されていたため、てっきり感動モノの小説と思っていたら、ノンフィクションだったので驚きました。
今まであまりノンフィクションの作品を読んだことがなく、読む前は「完読できるかな?」と不安でしたが、読み始めるとひき込まれるように夢中になって読んでいました。ノンフィクションですが思ったより文章が堅くなくて、とても読みやすかったです。
内容は、衝撃的すぎて、一生忘れないと思います。本作で取り上げられている事件についての知識がほぼない状態で読みましたが、読み終わった後は、同様の事件のニュースにとても関心をもつようになりました。
一人でも多くの人に読んでいただきたい作品です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文庫Xです!読んでほしいです!最近、日本の司法(だけではないけど)に疑問を持ち始めましたが、著書は警察、検察のとんでも行動に警鐘を鳴らしています。自分たちの非は認めず、免罪を生み、真犯人と思われる人物は自分たちの非を認めることになるから放置。これ、本当だったらこの事件だけじゃないですよね。他にも成果のために妄想を現実に変えて冤罪を生み出しているのではととても恐ろしくなりました。ノンフィクションとは思えない、ドラマだったらブーイングものの穴だらけの脚本が真実かもしれないなんて。タイトルまんま、本当怖いです。

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2026年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代人は国家権力を自明のもの、無害な空気のようなものと感じがちだか、そんなことはありえない。取材が進むごとに、私たちの生活と薄皮一枚隔てたところにある国家権力の得体の知れなさ、権力が保身に走ったときの恐ろしさが明らかになる。

取材の過程が物語仕立てになっていて読みやすい反面、小説的過ぎると思う場面もある。

もちろんこの本も一人の記者の得た一面的な情報であることには変わりないが、少なくとも、権力が発する大きい声は常に疑った方が良いというのは昨今の政治情勢を見て強く感じる。
飯塚事件の再審請求は2026年2月16日に却下された。ニュースのコメント欄には再審請求側を見苦しいと非難する声が多い。私もこの本を読む前ならそれに近い感想を持ったかもしれないが、この本を読んだ今はとてもそんなことは言えない。足利事件の再審請求の時にも同じような反応があった。彼らは国家権力を盲目的に信じることで安心を得ているにすぎない。

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

読み応えあった。出し抜くだけのスクープよりも、発掘型スクープが価値あるって本当にそう。出し抜くだけのスクープ=エゴスクープって、言い得て妙だと思った。
結局犯人が捕まらなかったのは、警察や検察のエゴというか、メンツを守るためだとしたら、犠牲者は救われない。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

こんな話が実在してしまうのかと驚いた。
絶対的な正義として認識しがちな警察も、検察も、裁判官も、所詮はただの1人の人間。
気を抜くと、ふと自らが心の拠り所とするストーリーに従って生きようとしてしまう。それによって誰かを貶めることになるとしても。
そうして小さな真実が覆い隠されるその行為が積み重なった結果に、目も当てようもない冤罪事件が発生してしまうのかもしれない。

徹底的に事実とデータ、小さな声に向き合い続け、国家権力に立ち向かってでも、真実を追い求める清水記者のバイタリティとその執念にただただ感服した。

冤罪事件は、多様な形でドラマ化されることがあるが、大概はその主人公は弁護士、または被害者家族であるのが多い。本書のように記者目線で物語が描かれるものはほとんど見たことが無い。
恐らくそれは作品作りにおいて、伝えたいメッセージや想いに対して、「マスコミ」という属性がノイズとして乗ってしまうからなのかなと思う。
清水記者が本書の中でも語る通り、全てがそうではないとしても、やっぱりマスコミは時に過激で陰湿で、醜い、エゴな報道行為を行うことがあり、世間もそういうものだと認識している。
つまり、仮に記者を主人公とした作品を作った場合に、主人公への100%での共感、感動が出来ないからなのだと思う。

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2025年12月05日

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ネタバレ

評価を満点にするのは、犯人がつかまってからにしたい。杜撰な捜査、犯人に仕立て上げる。本当に嫌になった。後半はルパンのことに執着してしまったが、ここまで調べるか!と思った。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新刊のときに正体不明の手書き文字のカバーかかっててそれで覚えてた。なんかこのタイトル無駄にエキセントリックで良くないよな中身はすごく良いのに。文学賞授与してフィクションなんだよ的な印象づけするつもりだったのかなと思った。一応、大宅壮一ノンフィクション賞にもノミネートされたみたいだけど。
結局今年の夏も行方不明で捜索中のニュースが流れてて、なんていうかもう色んな要素が含まれてるので簡単にあーだこーだ言えない。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

足利事件を中心に連続幼女誘拐殺人事件としてのDNA型鑑定の矛盾や冤罪の証明を進めていったドキュメンタリー。まるで推理小説のようだが現実に起こったこと。
ちょうど先日もDNA鑑定のいいかげんさが報道されていたのでこういうことがまだまだあるんだろうなぁ。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

推し芸人さんがおすすめしていたため手に取った1冊。
何となく知っている事件のノンフィクション作品。冤罪事件といえば袴田事件があるが、日本は逮捕されたらほぼ有罪が決まっているようなもの。逮捕率が高いことは大変ありがたいことだが、自分がもし誤認逮捕された時に最後まで無実を訴え続けられるだろうか?誰かが最後まで私の無実を信じて、証明しようと奔走してくれるだろうか?そう思うとゾッとする。
人間は都合のいいものだけを見て、都合の悪いことはなきものにするのは常だが、警察にそれをやられては困る。そして、科学の力は絶対と思われがちだが、必ずしもそうではないとも思う。今のDNA鑑定ならかなりの精度なんだろうなとは思うが…。
客観性が必要な状況でも、公平公正に客観視するのはやはり難しいんだなー。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

この国の政治、司法やメディアに対する信頼はもうないが、著者のようなジャーナリストがいると知れたことが唯一の救い。
何度も現場に赴き、自分の耳で関係者の声を聴く。権力に屈しない、保身に走らないジャーナリストの在り方を教えられた。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

一番小さい声を聞く

刺身やお肉を食べる時、私はその魚や動物たちを殺すという工程からあまりにも自然と目をそらしている
同時に、死刑という仕組みからも焦点をきちんと当てたことがなかったのだと気づいた
きちんと考えること、考え続けること、正義を凝り固まらせないこと、自分を信じること
今の子供たちがカマボコが海を泳いでいると勘違いしていることを笑えないな

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

非常に緻密な取材、現場に足を運び続けることで、長い時間が経っていても改めて見えてくることがあるのだなということは実感される。
DNA鑑定によって犯人であるとされたが改めて鑑定し直すと誤りであった、ということがあるのはなかなかショッキング。
冤罪の可能性がありながら死刑執行された人もいたということだと思うので、個人的には死刑制度には反対だな、と思う。
死刑制度の問題点として冤罪の可能性がどうしてもあること、犯人自身の内に持つ病理みたいなものをちゃんと解明せず、社会にフィードバックができずに事件を終わらせてしまうこと、があるように思う。
影響力の大きな組織にくっつく「記者クラブ」が、その組織の「言い分」を報道する、と言うような構造の問題。「小さな声を聞け」というのはそこへのアンチテーゼ、というか本来の報道の基本なのだろう。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

一時期(かなり前)文庫Xとして話題になっていた本。 こたけ正義感がおすすめしていたので手に取った。 現実の話なのかとゾッとする。 組織、国、規模が大きくなるにつれて、「正しい」犯人を見つけ出し罪を償わせる、ということがこんなにも難しくなるのはどうしようもないことなのか。 犯人(と著者は断定しているし警察もその人を認識している)なのに、捕まえられない。ということが本当に起こるのか。 などなど、、、、自分が突然まったく接点のない罪に問われたら、逃れられなかったらどうしよう、、、と取り留めもなく考えてしまった。

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

官僚のあり方を問う 真犯人を追ったノンフィクション。

北関東幼児連続殺人事件。刑務所に入れられた犯人は冤罪であった。真犯人は野放しにされており、警察は見知らぬふりをしている。この疑惑を強くしたジャーナリストの著書。

本著書では警察であるが、官僚、大組織は間違いを認めないものだ。当時の技術では間違いが無かった、当時のデータではそう判断する他無かった…等々。ましてや本問題は、既に執行した死刑判決まで絡む。国が誤った判断で人を殺しました…確かにそんな事が起これば大問題であり、絶対に認めないであろう。
しかし、それを認めないが為に弊害が生じる。冤罪、時効、真犯人の放逐。
そもそも、間違いは起こってはならない。重大な問題であれば尚更。本事件は注目度の高さから急かされた背景があるが、正確さを軽んじるべきではなかった。世間に過剰に左右されない鈍感さも、時には必要だと感じる。
そして、誤りを犯してしまった時は、「ごめんなさいが言えないでどうする」

司法、官僚を揺るがす事件で驚きがあり面白い。ただ物書きの方ではないからか、少しクサイ所はあった。

また、本著は書店の工夫により、カバー・題名を隠して紹介される手法がとられていた。本離れや電子書籍など本屋としては逆風の昨今であろうが、このような取り組みはとても面白いし、色々な工夫がされればと願う、

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2025年12月28日
星のみの評価 1件

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