あらすじ
大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。
二次会幹事とスピーチを相方に押し付け、喪服に着替えて急きょタクシーで葬儀場へ。
既に大多数の社員が集まり、打ち合わせを重ねるなか、ヨシノを猛烈な空腹感が襲う。
「マジマ部長の親父とやら、間が悪すぎる…もう一日ぐらいなんとかならなかったのか」
ヨシノのてんやわんやな一日はまだまだ続く。芥川賞候補作。
09年に「ポトスライムの舟」で芥川賞、11年に「ワーカーズ・ダイジェスト」で織田作之助賞を受賞し、
いまもっとも乗っている女性作家の傑作中篇。「冷たい十字路」を併録。
解説・陣野俊史
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Posted by ブクログ
ヨシノさん、大変!
色々と呼びつけられて
アタフタしている彼女と一緒にワタワタしました
お疲れさまでした
お腹すいたねえ
目指す人生、きっと送れる気がします
ヨシノさんなら
二編目の「冷たい十字路」
視点が面白いです
ただカタカナの名前について行けませんでした
津村記久子さん 好きです
≪ 婚礼と 葬礼どっち? てんやわんや ≫
Posted by ブクログ
旅行する予定が、友人の結婚式の二次会幹事に選ばれ奮闘するものの、
当日になって会社の上司の親族のお葬式に駆り出されるヨシノ。
空腹に耐えるヨシノ、
お葬式会場のトイレのなかで、故人の愛人同士の罵り合いを聞きながら、電話で結婚式のスピーチを語るヨシノ。
他短編。
二つの高校と小学校がある町での
高校生同士の自転車事故。
小学校教師と事故を起こした高校生との過去の関係。
事故を起こした高校生に助けられたことがある小学生。
その小学生を娘に持つ働く母親。
自転車事故を目撃したOL。
事故についての手紙を作成することになった男子高生。
津村さんの登場人物たちは、みんな真面目だな。
Posted by ブクログ
表題作が特に面白かった。
津村さんの小説の中でも好きなタイプの話。
友人の結婚式の当日に、上司の父親の通夜に行かなくてはならなくなり結婚式をキャンセルして……というストーリー。小さな会社に勤める立場の会社員のままならなさが、真面目なんだけれどユーモア混じりに描かれている。
通常、身内でもなければ「結婚式>葬式」だろうと思うが、社員18人しかいなくて、しかも全員参加が余儀なくされている状況なら断れるのかどうか……、と本人でなくても真剣に悩むところだろうと、フィクションながら気の毒に思う。
参列した通夜での人間関係や、キャンセルした結婚式に出席している大学時代の友人達が、それぞれ個性的なキャラクターで、当人たちは皆真面目にやっているであろうからこその面白みがある。
津村さんの描く登場人物は、語りが堅実なのか、どこか他人のような気がしない。友人の話を聞いているようで面白い。よくよく状況を考えると、まあ現実にはあまりないようなことなのだけれど。その辺、本当にありそうな感じに書けるのがさすが。
最後にラーメンを食べるシーンが印象的で、のどかでぽっかり明るい感じがして、明日に希望を持てるラストなのが好きだ。
Posted by ブクログ
冷たい十字路
「ん?…ってことは!?」の構成。
登場する全部の関係性やその後が明示されるわけではないので、人々の生活の一部を切り取ってきたような印象の中編。
Posted by ブクログ
ヨシノの話はとにかくにやにやがとまらないくらい好きな話。
友だちの結婚式に幹事として行ったのにその最中に会社全員参加型の葬式に呼ばれる
空腹の中、全く知らない人の葬式にでてる心中が面白くて。津村さんの言葉選びが好き。
ただ2話目の話は主人公が短い間に何人もでてきて、、そして1話目の話が面白かった分すこしスピードダウンしてしまった。
自転車で事故ったカップルの2人乗りの女の子が気になる存在だった。。