あらすじ
「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教諭は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。
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Posted by ブクログ
全く知らなかった、実在した一連の事件。
人とのやり取りって、ここまで捻じ曲がったものが「事実」になっていくことがあるんだ、と衝撃を受けた。序盤は、胸がぎゅーっとなって苦しくて堪らなかった。
結果的には、不服申し立てが認められた形にはなったものの、この教師の苦悩と失ったものを考えるとあまりに辛い。
Posted by ブクログ
映画予告で知ったこちら!
最近個人的にネトフリとかのサブスク系でドキュメンタリーばかりみていたので、こちらも実話らしいと聞いてずっと気になってました。
内容としてはタイトル通り、小学校の先生が生徒のいじめを「でっちあげ」られてしまうお話。原告が生徒と両親 vs 被告が先生と学校側、で進む民事裁判を通して徐々に何が起こったかが明らかになっていきます。
何が怖いって、結局主人公(先生)を除いた主要人物たちが、実際のところはそれぞれどんな思惑でこんな行動を取ったのかがもやっとしてるところ。
・問題行動を起こしてしまった子供が、両親につい嘘をついてしまった事がそもそもの事の発端なのか?
・もしそうだとして、両親は先生や学校側をこんなにも追い込んで結局何がしたかったのか?プライドの為?賠償金狙い??(そもそもいじめ自体結局なかったので、被害がそもそもなかった)
・虚偽の診断書を書いた大学病院側は一体何をしたかったのか?
基本的に先生の視点で描かれているので、先生以外の視点がもうちょっと分かればな〜、なんて思いながら読みました(個人的には特に病院側の対応が謎。権威を示したかったのか何なのか...。)
社会的・金銭的なことを考えると先生が一番の被害者であることは明らかなのですが、裏の一番の被害者としてはこの子供自身だったんじゃないかなと思います。自分の過ちを認めて反省する機会を奪われたまま大人になった子供は、一体どんな大人になったんだろうか...。知りたいような、(怖くて)知りたく無いような...。