あらすじ
この不幸は、いつまで続くのだろうか――。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。シェルターからステップハウス、DVの被害女性だけで運営される自然農園……。離婚を経て、居場所を変えながら少しずつ自立を果たそうとあがく可穂子に、元夫・雄二の執拗な追跡の手が迫ってくる……。現代の闇に恋愛小説の女王が切り込む、衝撃のノンストップサスペンス!
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Posted by ブクログ
DVの持つ問題、闇の深さに苦しく、
胸が締め付けられながら、読み切った。
一度DVにあってしまうことで
周りの人を巻き込んでしまう恐怖や
いつ加害者に見つかるかもしれない恐怖がついてまわり、終わりのない砂漠のような道のりの中を
歩かされる。タイトルの手のひらは加害者のもので、被害者は砂漠を歩かなくてはならない…
その果てしない道のりを生きている人たちが
少しでも安らかにあれる場所があってほしい。
最後、可穂子が恐怖に怯えない生活を得たことに安堵すると同時に、それでも雄二の影はあって、しまうんだろうなと思ってしまった。
この問題に対する刑が軽すぎることや
被害者が逃げて隠れて、怯えながら暮らさなければならない、加害者へ何の制御にもならない法への憤りもあった。