【感想・ネタバレ】いぬの日のレビュー

あらすじ

流星群の夜、不思議な石を舐めた可愛いスピッツ犬のヒメ。その日から全てが変わった。相次ぐ連続殺人事件、背後に蠢く犬の気配。史上最高に可愛くておぞましい「犯罪犬」と人との前代未聞の物語!
※本書は二〇一五年六月に小社より刊行された単行本『今日はいぬの日』を、加筆・修正の上、改題して文庫化したものが底本です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

強い啓発が込められた作品。
犬を飼っている人も、飼っていない人にもおすすめ。
いちばん読んでほしいと思うのは、『これから動物を飼おうと思っている人』。
私たち読者は、ヒメが最初からなにを求めてもがいているのかがわかる。分かったうえで、ソレから遠ざかっていってしまうヒメの残酷な運命を見守るしかないのだ
ヒメの最期は切なさに胸が締め付けられるようだった。


飼い主から愛されなかったヒメと対照的なのが、ミコトとその飼い主・潤一少年だ。
出会った瞬間から、ずっと一緒。
お互いを唯一無二と思い合っている。一緒にいるだけで幸せ、そんなふたりだ。

印象に残るのは、人間側──潤一の愛情の深さで、彼は「ミコトがいれば他に誰もいらない」と両親に話すほど。
友達と遊ぶよりも、ミコトと行動する方を好むというのだから相当だ。中高生という、時間の融通が利き体力もある時期というのも良かったのだろう。

「ミコトが最後の犬」愛犬とふたり、完結していた愛情関係。
人間社会に生きながら、最も愛し、時間を費やしてきたのは犬だった。
ミコトを喪った彼は、これからは人間とともに生きていく。将来は動物に、犬に関わる職業に就くのかな、就いてほしいな。

とにかくミコトが好きすぎて、ボーダー・コリーの本を買い漁っています(笑)

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2021年12月16日

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