あらすじ
2020年度から大学入試が激変する。従来の知識・技能型、得点重視の一発勝負試験から、主体的・協同的に学ぶアクティブラーニングの導入が前提とされる。塾や予備校は沸き立ち、中学や高校の現場は大混乱。この入試改革は文科省が進める高大接続システム改革の一環。そもそも高大接続とは何だろうか。塾や予備校に通わなければ、大学を目指せなくなるのか……。気鋭の教育ジャーナリストと、「学習学」を提唱し実践的な学びを指導してきた人気大学教授がタッグを組み、これから起こる教育改革の本質を解説。新制度に立ち向かうために、学校や家庭でできる対策を徹底指導する。
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Posted by ブクログ
2016/10/9 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2016/10/14〜10/17
最近盛んに言われ始めた「高大接続」。全く無関係ではない仕事だし、子供が改革のどのタイミングで関わるのかも知らなかったので、大変勉強になった。しかし、アメリカのシステムを真似るのは良いんだけど、社会的な情勢が彼我で違うんだから、そこはアレンジしないといけないんだと思うんだけどなぁ。博士増やしたときだって、アメリカでは博士号を取っても、企業に入ったり、起業したり、と選択肢がいっぱいあるのに対して、日本では企業はなかなか取ってくれないし、アカデミックポジションも減る一方。結果、博士に行ったら不幸になる、などというネガティブスパイラルに入ってしまっている。末は博士か大臣か、と言われた時代もあったというのに。今回の改革も同じ轍を踏まなきゃいいけど。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 2020年の大学入試
第2章 偏差値で人生が決まる~身も蓋もない学歴論
第3章 本間先生に聞きたい。アクティブ・ラーニングQ&A
第4章 高校生までにできること
第5章 大学のアクティブ・ラーニング
<内容>
タイトルよりも中身の本。入試の変化の部分と高校、大学の授業に取り入れられる(取り入れられている)「アクティブ・ラーニング」の紹介。
第3章、4章は、進路指導で使えるネタが満載なので、高校生や進路指導部の教員にぜひ読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
今後日本が世界で生き抜いていくためには、主体性を持って多様な人と協働できる人材の育成が必要不可欠です。従来通りの受動的な学びでは人間力が低下し、それがそのまま国力の低下へと直結するとも考えられています。
ここまでは私も賛成できるのですが…
本書は高大接続改革について述べられているため、高校と大学の教育内容に関する内容しか述べられていませんでしたが、私自身は幼い頃からの教育の充実も重要だと考えています。即ち、家庭内での教育や保育園・幼稚園における教育の質の高さが人間力の基礎を築くのであり、高校と大学だけの教育を改革するのでは不十分だと感じました。
そして、そのためには親自身がアクティブラーナーとして変わっていかなければならないという点には同感です。
本書を読み、日本人固有の「誰かがやってくれる体質」を改善すべき時期が来たと捉えることができました。
Posted by ブクログ
前から気になっていた1冊。
山内氏の、全国の高校や大学を回られた経験に基づくご指摘は的を射ていると思う。
今朝の新聞でも、また新たな大学入試の話が話題になっているので常に最新の情報に留意していかねばならないが、今後の学生像を思い描くためには、読んでおきたい1冊。
・・・大学生って、いまは大変なんですね。
Posted by ブクログ
本書の特徴は、高大接続改革後に取り組むべきことについて、学ぶ側の目線でわかりやすく記述されていることにある。まず政策を概観している。18歳人口の減と大学の収容定員の増の関係性から生じる膨大な問題の一つの処方箋として、高校テスト・大学テストが設けられるという。高校テストでは思考力・判断力・表現力を問う問題も出題され、大学テストではさらに主体的に・能動的に多様な価値観を持つ人と学べる態度が試されるとのことだ。個人的には、そうした積極的な学習姿勢を親や子供自身に促し、また強制しようとしているのがねらいのように見えた。学習者が自覚するための様々な仕掛けが、これまで以上に重要になると思った。
今後、労働・雇用慣行が劇的に変わらることもなく、首都圏における経済資本と文化資本のある層が有利になると推測されている。このことは明治以来の試験の社会史から見ても今後も続くのだろう。教育社会学者による本制度導入前後を比較する実証研究に期待したい。
Posted by ブクログ
読んだ感想)入試制度は本当に変わるのか?ウヤムヤになりそう。
塾や予備校が新しい入試制度に対応した講師陣を揃えたりするのだろうか?疑問。
親の意識が変わる?
高校の学びが変わるのだろうか?変わらなさそう。