あらすじ
忙しくて時間はないのに、責任は大きくなるばかり……。増え続けるプロジェクトをこなし、確実に成果を出すにはどうすればいいのだろう? 本書は、あなたのパフォーマンスを最大化するための、とっておきの技術を披露する。究極の時間管理術から、ファイルを駆使した情報整理術、情報発信の戦術と戦略まで、今すぐ使えるノウハウの数々を大紹介。少ない時間で最大の効果をあげるための、知的生産の秘訣を明かす。
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Posted by ブクログ
著者は大阪商業大学の学長とのこと。大学人だからだろうか、時折波長の合う本だった。例えば、指示を待つとき、その指示を出している側の人間がいること。マニュアルやノウハウをネット検索したりするとき、それを作った側の人間がいること。ペーパーレス化が進んでも本が無くなる事は無いこと。会合で自分の意見を言うこと。いずれも、探す方が探され、本屋の規模が地域の知性の規模、発言しないのなら存在しない、と日頃から思い、口にしていることととても似ていて、嬉しかった。嫌な目にあったら、この嫌な奴と人生を取り替えたいかと自問すべしというところは、禅や論語などとは違う視点で、苦境を支えるエールになると思った。
Posted by ブクログ
とても当たり前で
とても重要なことが書かれている。
人にすすめたいが、押し付けているかもと思う。
私は全くできていないが
このようにいきたいとおもうのだけれど
それは嫌いって人もいるだろうなぁ。
Posted by ブクログ
羽生九段のエピソード - 脳を休めること
羽生九段と谷川九段との2日間の対局、初日が終了したあと谷川九段はウィスキーを片手に周りの人々と語らいリラックスしていた。
羽生九段は著者が友人と打っていた囲碁の碁盤を熱心に読みふけっていた。あとで機会があったときに本人に確認したところ羽生九段にとって別のゲーム、この場合は囲碁、を考えることは将棋で疲れた脳を休めるのに役立つらしい。
ストレス解消、リフレッシュとは脳と心を休めること
仕事でストレスを解消する人 「何かを成し遂げる」喜び 仕事人間と仕事中毒の違い
”押し付けに近い「やるべき事」や新情報は、気を許すと暴力的にやって来る。その点で時間のコントロールとは、ある面で情報量のコントロールなのである。” P23
渡部昇一氏の「知的生活の方法」から
”コールリッジは、『クラブ・カーン』という、英詩の中でもっとも美しいといわれる詩を書き出し、五十行目に至ったとき、誰かがやってきて扉を叩く音を聞いたのである。コールリッジはペンを置いて席をたった。つまらない用事で、数分間ぐらいの中断に過ぎなかったであろう。しかし再び机に戻ってきてみると、もはやさっきの詩のイメージは戻ってこなかったのである。かくして甘美の極みとも、あるいは天上的とも言われるコールリッジの作品は未完のままになっている。(中略)
われわれはコールリッジのような創造的活動をやっているわけではないが、中断によって手ひどい打撃を受ける点においては同じである。たとえばある人が論文を書こうとして、朝の9時から午後1時くらいかかったとすれば、それによる中断と、また中断されるかもしれないという危惧の念によってほとんど仕事は進まないであろう。全く中断がなかった場合の、おそらく5分の1の仕事しかできないと言っても良いかもしれない。”(P173〜174)
集中できる環境、時間と空間を確保せよ
資料は一箇所に集めておくことが重要。調べる、探す行為によって思考が致命的に中断されてしまう
”資料を手元においておくこと、そして個人のライブラリ的なものが存在することは、知的創造作業にとって本質的に重要であると。” P51
時間の分割と割り振り メリハリを持たせる-やりたいときができるとき
各作業に必要な総時間を予測する、おおよそでよい。
2時間をひと区切りとして、3区切りに1回は別の作業をする。同じ作業を続けない事。
遊びたいときはしっかり遊ぶ。
囲碁の世界では、「もし次の手を一時間考えることが出来るなら、その人は初段以上だ」との言葉がある。
2010年現在、日本の囲碁界の第一人者とされるのは張栩である。この張栩九段が書いた文章がある。
長い待ち時間の対局をすると、普通はどこかでねむくなったり、頭がボーッとしてくるなど、1日のどこかで気が抜ける瞬間があるものです。しかしそう言う部分があっては、一瞬の隙が命取りとなり、ここぞという大一番で勝利を収めることは出来ません。ですから脳の体力・持久力を鍛えることを、僕はずっと意識して来ました。
具体的にはどういう事をしたのかというと、若い頃は日本棋院での対局を終えて家に帰ってきたあと、疲労困憊の状態でさらに、インターネットなどで早碁を打つのです。それも一局や二局ではなく、寝てしまうくらい疲れ切るまでです。
疲れに任せて漠然と打つのではなく、脳が疲労しきっていても、さらにもう一段上の集中力を発揮して、それなりにレベルの高い内容の碁を打たねばなりません。
頭をぎりぎりに絞って、細い思考の糸が切れないように手繰り寄せるのです。
しかも、内容だけではなく、勝敗にも大いにこだわります。
繰り返しになりますが、僕はこれまで単なる練習碁であっても、勝敗を度外視していい加減な碁を打ったことは一度もありいません。タイトル戦でも練習碁でも、常に勝利にこだわってきました。
ですから、疲れ切った脳から力をさらに絞り出すための早碁でも、負ければやはり悔しいのです。そう言う思いをしたくないので、今まで以上の集中力を出そうとする。その繰り返しでした。
また、疲れて寝る前に布団の中で、その日打った碁を頭の中でもう一度再現してみます。頭の中で詰碁をするのはもちろん、脳の中で超高速で石を並べたりもします。
スポーツでも仕事でも同じだと思いますが、ふつうの練習で出来ないことを本番で成功させることは出来ません。脳の体力についても全く同じ事で、いざ対局の時に最後の一絞りをしようとしても、いきなり出来るはずがありません。普段から「疲れ切った脳に最後の一仕事をさせる訓練」を積んでおかなければならないのです。
(張栩「勝利は10%から積み上げる」朝日新聞社出版局 2010年)
断る勇気
ボリス・ベッカー選手は、インタビューが15分を過ぎたところでこう言って席を立った、「試合のあとのチェックと練習が残っていますので、これで失礼いたします。もしさらに質問があるなら、マネージャーに文書で出しておいてください」と。
放っておいてはいけないこと
とにかく「放っておいてはならないこと」は先送りしてはならない。たとえ今、余分に時間を使うことになろうとも、ボトム・ラインの哲学を成し遂げることは、優先させなくてはならない。
厚い本を読むときは最初の20ページを丁寧に読む。100ページ読んでも興味がわかない、没頭できない本は読まなくてよい。