【感想・ネタバレ】史上最高に面白いファウストのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年08月25日

これはよくできた本。タイトルのポップさを鵜呑みにせず、最後まで通読すると得られるものが大きい。

抄録に解説が適宜織り交ぜられ、最後にこの作品の本質を著者なりの解釈で解き明かす。抄録の部分も舞台感がリズミカルにうまく表現されている。

はじめて『ファウスト』が分かった。どんな形でも、これまで『ファウ...続きを読むスト』は分からなかったのに。

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Posted by ブクログ 2020年01月22日

「まんがで読破 ファウスト」と「手塚治虫ファウスト」という、マンガ2冊に続いての、活字の入門本へのステップアップとして購入しました。
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著者は、ゲーテひと筋60年という教授の先生。
高尚な人格者による、ものすごく難解な大長編の文学作品という、誤ったイメージがあるけど、そうじゃない。
退屈で苦し...続きを読むいだけの日々に忙殺されている庶民に、笑い転げたり、怒ったり、泣いたり、心の底から楽しんでもらいたいという一心で、ゲーテが生涯をかけて取り組んだエンターテイメント作品。
もっとガードを下げて、1人でも多くの人に気軽に楽しんでほしい。
この点を、この本の中で何回も強調しています。
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例えば……
序盤、悪魔メフィストは、プードルという犬に化けて主人公ファウストに近づきます。
ググってみたら当時、プードルは新しく開発されたばかりで、庶民の間で大人気だったそうで。
向こうの人達なら誰もが幼い頃に慣れ親しんでる、(ギリシャ神話ベースの)童話と同じシチュエーションで、童話と同じ名前の老夫婦も登場します。
なるほど、続編なんだね、と思うじゃないですか。
ところが、その直後、悪魔がこの老父婦を焼き殺します。
そもそもの基本的な構成が、旧約聖書のヨブ記のパロディだそうで。
ラストも、カトリック全盛の神聖ローマ帝国の時代に書かれたとは思えない、キリスト教の根底になってるタブーを侵して幕が降りる。
さすがに殺されると思ったのか、後半(第2部)はゲーテの遺言に従って、ゲーテの死後に公開されたそうです。
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たぶん、今でいうと、高名な会社経営者がタピオカドリンクを片手に楽器箱に隠れようとしたところでそのドリンクが大爆発するような展開。
しかも、鶴が恩返しではた織りしている小屋ごと火事で燃やして登場人物みんな殺しちゃうような、破茶滅茶の連続。
よくわからないカタカナ語を1つ1つググりながらなので、2週間ぐらいかかっちゃいましたが、すっかり虜になりました。
「なるほど、いかにもキリスト教の発想だね」「そうか、キリスト教社会の連中はこう考えるのか」という、新しい気付きもいっぱいありました。
この本のおかげで、次は森林太郎さん(後の森鴎外)訳の「本物」を読んでみようと思い立ち、(絶版なので)中古で探し回っているところです。

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Posted by ブクログ 2019年10月14日

新潮文庫の「ファウスト」(高橋義孝訳)と並行して読んだ。
とてもわかりやすくて入門にはよかったが、これだけだとちょっと味気ない。並行読みオススメです。

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Posted by ブクログ 2017年01月25日

多くの人が難解としてなかなか手が出せないだろうファウストを、分かりやすく噛み砕いて紹介している。言葉も現代の表現にされており、非常に読みやすい。
情景描写が分かりやすく、頭の中で舞台上の演者や観客を想像しながら楽しく読めた。
こうして世界の名著に親しめることを嬉しく思う。
これは確かに、「史上最高に...続きを読む面白いファウスト」かもしれない。

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Posted by ブクログ 2017年01月07日

久々に☆5つ!
とっても面白かった!

<本から>

神秘な合唱

 移ろいゆくものは、すべて
 影にすぎない。
 我欲のために悪にまみれた
 迷える魂もここでは赦され
 永久の営みに組み込まれる。
 ここに軌跡が起こる。
 命を生み育む慈愛、
 この永遠にして女性的なるものが
 わたくしたちを滅び...続きを読むから救うことができる。
 母たちよ
 栄光の聖母よ
 至福の光で
 この世を永久にご照覧あれ!

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Posted by ブクログ 2017年02月06日

ファウストが史上最高に面白いのか・ファウストをこう解釈すると面白いのか~1部:魔女の薬で20歳の若者になったファウストは14歳のマルガレーテ(グレートヒェン)に一目惚れし,眠り薬を母親に仕込んで思いを遂げるが,妊娠を兄に責められ,ファウストは逃亡し,マルガレーテは嬰児殺しの罪を負い,ファウストも救え...続きを読むなかった。2部:皇帝の側近になったファウストは皇帝の命で呼び出したヘレナに惚れ込み,人造人間ホムンクルムと古代ギリシアの世界に,スパルタに戻って殺されそうな所をゲルマンの騎士になりきって攫う。男児が飛び降り自殺をしてヘレナも消え,現代に戻ったファウストは戦争に荷担して海沿いの領土を得,理想郷を作って満足して死ぬが,魂は栄光の聖母とグレーチヘンと呼ばれた女によって天国へ~まあ,どっちもなんでしょうね。高校の時に岩波文庫で読んで,暫くとっておいたんだけど今は行方不明。捨てたんでしょうね。改めて,どういう内容か思い出せて良かったけど,どんでん返しさえ憶えていなかった。エンターテインメント戯曲で良いじゃん!と1933年生まれのドイツ文学者の託宣!

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Posted by ブクログ 2019年06月05日

時代背景やゲーテの意図しようとしてたものが解説付きで物語が進んでいくので大変にわかりやすかった。

現代一般人の自分にとって、原作を読んでも本当の面白さはこれっぽっちも理解できないだろうし、理解するだけの知識を得る時間もそんなにない。

ファウストの物語自体が色々な含みを持っているようなので、今回は...続きを読むこの作者に依存した理解、これまでの手塚治虫に依存した理解でいったんファウストは読み納めてもいいかな。

今回読むことでだいぶファウストの印象は変わった。それだけ手塚治虫のファウストは脚色もしっかりされていたし、それなりに面白かった。

いつかは原文をゆっくりと紐解いていくか?いや多分時間も、紐解いていくだけの根気も能力もないかな。。。

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