【感想・ネタバレ】理科系の作文技術(リフロー版)のレビュー

あらすじ

物理学者で、独自の発想で知られる著者が、理科系の研究者・技術者・学生のために、論文・レポート・説明書・仕事の手紙の書き方、学会講演のコツを具体的にコーチする。盛りこむべき内容をどう取捨し、それをどう組み立てるかが勝負だ、と著者は説く。文のうまさに主眼を置いた従来の文章読本とは一線を劃し、ひたすら「明快・簡潔な表現」を追求したこの本は、文科系の人たちにも新鮮な刺激を与え、「本当に役に立った」と絶賛された。2016年には紙の書籍がついに100万部を突破した、不朽の文章入門。

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Posted by ブクログ

40年以上前の本だが、本質的な問題を丁寧に解説している。
他の本で書かれている部分が多いが、本書は「文章の役割の確認」の解説が特に優れている。
「字面の白さ」は本書で初めて出会った指摘で、新鮮だった。

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2024年03月31日

Posted by ブクログ

論文を書く前に読んだ。論文を書く上で注意すべき点を網羅しており、何から手をつけていいか悩んでいたので非常に有用であった。一部現在においては適当でない方法を述べているが、パワポなど代替方法を用いれば良いと思う。

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2023年03月04日

Posted by ブクログ

文章術、作文技術の本では、右に出るものはないんじゃないでしょうか、それくらいタメになる本です。少なくとも、私は仕事で文章を書く際にメチャクチャ役に立っています。

少し固い文章で書かれているので、読み通すのが大変ですが、何度も読んで血肉化し、具体的なケースに落とし込んでいけば、本当に文章で伝えることが得意になります。

私が本書を読んで1番勉強になったことは、「文章を書くとき、読み手を意識して書くことが大切。読み手がどんな情報を求めているのかを考える。それがわかれば、おのずと書くべき内容が決まる。」という内容です。これを知れただけでも、十分すぎるほどです。

わかりやすい文章を書きたい、論理的な文章を書きたい、そんな作文技術に悩める全ての人にとっておすすめできる本です!

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2023年01月21日

Posted by ブクログ

どのように文章を構成すればよいのかがかかれている。誰にでもわかるような文章を書くには、書く順序や句読点や記号にも触れている。
私としては改行のあり方やトピックパラグラフについてとても参考になった。

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2022年05月04日

Posted by ブクログ

タイトル通り、理科系の仕事をしている人は必ず読むべき本。特に、「逆茂木型の文章にならないこと」は気をつけるべき点。
何度も読み返し、また作文を実践し、身につけていきたい。

元来、「スライド」とはパワーポイントでなく、薄い板を指すことを本書で初めて知った。

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

筑波大学の授業科目「研究者入門(研究開発職を目指す人のために)」「研究・開発原論」「国語Ⅰ」の指定参考書。
“読める”文章を書くために、“全系”が読むべき手引書。

不特定多数の読者に対して、読みづらさが無く・不親切で無く・内容が素直に理解できる、そんな文章の書き方を解説する。こういった文章が書きたいなら、理科系に限らず文系も読むべきである。理科を題材にしてはいるが、重要なポイントは文理共通であろう。(逆に、特定あるいは不特定少数だけにメッセージが伝えられる文章や、真意を濁した文章を書きたい場合には向かない。)
私は父にすすめられて中学生のときに本書を読んだ。大学の参考書になってはいるが、中学生でも問題なく読める。さすがは“読める”文章を解説するだけはある。若い内に読んでおくに越したことはないだろう。
巻末には、発表の際の技術にも触れられている。OHPの使い方など、やや時代遅れの感は否めないが、ポイントは参考にできる。
厚さ・価格は手頃。文章は読みやすくサラッと読める。

目次
1.序章
2.準備作業(立案)
3.文章の組立て
4.パラグラフ
5.文の構造と文章の流れ
6.はっきり言い切る姿勢
7.事実と意見
8.わかりやすく簡潔な表現
9.執筆メモ
10.手紙・説明書・原著論文
11.学会講演の要領

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2022年05月17日

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面白い内容ではないが、為になる内容であった。
英論を添削する上で、非常に役だったと思う。
読み手が読みやすい文章にする為には、何度も何度も読み返し、修正を重ね、ときには他人の意見をもらうことが必要である。その為、かけた時間がものをいう世界だとお思った。

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

・事実と意見を十分に精選し、それらを峻別しながら、順序よく簡潔に記述する。
・読者はだれであり、その読者はどれだけ予備知識を持っていて、その文書に何を期待し、要求するかを考慮する。
・自分の書こうとする文書の役割を確認する。
・ひとつの文書はひとつの主題に集中する。
・自分自身の考えを重点に置くべき→たとえ不備であり未熟、浅薄であったとしても、オリジナリティーという無比の強みを持っている。
・主題を決めたら、まずは何を目標としてその文書を書くのか、そこで何を主張するのかを書く。
・表題は的確に内容を示す、具体的なものでなければならない。
・一旦立場を変えて、自分の所論を見直すことが大切である。
・文章の構成を考えるために、一枚の紙に項目分けして書く。関連のある項目は、線で繋いだりする。
・ひとつのパラグラフにトピックセンテンスを入れる→その他の文は、それを具体的に説明するもの、あるいは前後のパラグラフをつなぐものでなければならない。

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2025年04月03日

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テキストを書くことがあるなら、理科系でなくても読んでおくとよさそうなことも多く書いてあった。これは好みや流派にもよるだろうなーという部分もあったが、そういうところには割と「自分はこういうのを好む」みたいな注記があったし、文も結構砕けて書いてあって読みやすかった。前の時代の本の文でそこそこ見るような、おじさんがアイロニックに語っているような(笑)

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2024年12月07日

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社会人になり作成した資料に対する指摘を貰うことがあり、良い文書を作成方法を学ぶために、推薦本として読みました。

「一意にしか捉えられない文章を書くこと」はコミュニケーションミス防止のための最重要事項だと思いました。

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2024年10月11日

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大学院1年生とか、はじめて症例報告を書くタイミングなどで読んでおくといいと思います。
指導教官が学生の論文を添削するときの「こころ」が書かれていると思う。もしかすると、指導教官はその「こころ」を体得してはいても、伝えるにあたって体系的な言語化はできていないかもしれず、指導される側にとっては場合により難しい時間を過ごすこともありうる。それは必ずしも指導教官を責めるべきことでもないだろう。
 指導する側とされる側のギャップを埋めてくれる可能性がある一冊です。

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2024年09月20日

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現代のビジネスマンが参考にすべき事柄が散りばめられている。
・事実と意見を混同しない
・言い切る(あいまいな表現を使わない)
・誰が読んでも同じ捉え方ができる文章にする
これらについて、具体的にどうやって作文するべきか、実践方法を学べる。
学会の話など、ビジネスマンに直接関わりのない章はスキップ。

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2024年07月02日

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[概要]理科系の"無愛想な"
    作文技術を論理的に論説。
[感想]
  ・"退屈な本だろう" 
    とタカを括っていたが、
    読み進めると面白い。
  ・人文系の
    "叙情的な""上手い"
   文章がコテンパンだ。
  ・文書だけでなく、
    メモの書き方
    図版の作り方
    講演のやり方 
   まで書いてある。
  ・これからは、
   作文のバイブルにする。
   でも、他人からは
   "乾いた文章"
   と言われるだろう。
[総評]
   ◎ここまで具体的な
    文章解説本は、
    なかなか無い。

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2024年04月27日

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論文に限らず、メールや議事録、資料など、人にわかりやすく伝える文章技術が満載でとても役に立つ。参考にしながら仕事に励みます。

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2023年05月22日

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数年前に1度読み始めたが自分の理解力が追いつかず、今年再読チャレンジした本。

タイトルに「理科系」とあるが、仕事のメール・報告書・プレゼン資料など仕事で文章を書く際、自分の考え方の気付きになった。

以下が為になったことー
明快で簡潔な文章を目指すこと、パラグラフの使い方、はっきりと言い切ること。

1981年初版で今読んでも色褪せない内容を書いた著者に敬意を表したい。

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2022年08月07日

Posted by ブクログ

四半世紀ぶりに読んでみた。社会に出ると、理系だからこそ文書を書く機会が増えます。ビジネスメール、標準操作手順書、報告書、プレゼンテーションの資料など。そんな時に必要なのが本書になると思います。

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2021年12月09日

Posted by ブクログ

 なるべく末尾を断定調で(そのために考えぬいて)書くとか、一文は短くとか、読み手のことを考えて書くとか、文系でも参考になる箇所がたくさんある。
 また、一流の研究者の論文の構想の仕方も役に立つ。

 しかし、いかんせん、やはり理系だし、もはや古い、と思わせるところがある。
 ベストセラーだし、これ読めば理系文系問わず作文がうまくなる!という過度の期待は禁物。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

10年ほど前に理系学生でしたが、10年前に出会いたかったかというと別にそうでもないです。

もっと時代に即した資料(WordやLaTeX前提の作文技術の本)は10年前から色々ありますし、2025年現在なら尚更です。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

本書のあとがきを見ると、著者が読者として想定したのは理科系の若い研究者・技術者・学生とのこと。そして序文には「これらの人が仕事でものを書くときに役立つような表現技術のテキストを提供したい」とある。

まず、そこを踏まえておく必要がある。

つまり想定読者に当てはまる人にとっては必読の内容と言える。だが、一般人がもっといい文章を書きたいと思っているのなら、他の本を読んだ方が良いということである。

もちろん、想定読者層以外の人が読んでも参考になる部分はあるが、一般人にとっては不要と思える部分も多い。例文も理系そのものでとっつきにくい。順に例を挙げていく。

まず、誰にとっても参考になるキーワードを目次からいくつか拾ってみる。

・記述の順序
・事実と意見の書き分け
・わかりやすく簡潔な表現
・文は短く
・読みやすさへの配慮


次に不要と思える部分も目次から拾う。

・はっきり言い切る姿勢
・単位・記号
・文献引用
・図と表の書き方
・学会講演の要領


最後に例文。これは簡潔に書き直されたものである(132p)

組換えDNAの研究には、分子生物学に関する基礎的な教養があり、微生物ことに病原微生物の取扱いに習熟した研究者が必要である。こういう研究者は絶対数が不足で、しかも大学その他の基礎研究機関に偏在している。病原微生物の取扱いの教育訓練が医学・獣医学などの分野に限られている点にも問題がある。
 対策として、大学における関連諸科学の教育を強化するとともに…(以下省略)



若い理系の研究者たちの役に立てばそれでいい本なので、それ以外の人たちとって参考になる・ならないなどは「まったくのお門違い」のことなのだが、あえて書いたのは、ベストセラー書だからだ。

初版の1981年から版を重ね続けて100万部を突破した本となると、想定読者層以外の人も読んでみようと検討するかもしれないので、どのような本か判断する材料になるかと思って書いておいた。

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2024年11月14日

Posted by ブクログ

意識するとしないでは、覿面に異なる文章作成術。どんなポイントに注意すれば良いか、指導してくれるのが本書。通読の価値あり。

本書は文章作成にも有効だが、私の収穫はプレゼンの話。原稿を読み上げると、どうも聞き手に届いている気がしない。感情が入らずに棒読みになるからだろうと単純に考えていたが、それ以外の答えとなるヒントを得られた。以下のような内容だ。

ー 読めばスラスラとわかっても、聞く段になると抵抗が大きい…単文に分解すれば救われるが、はじめから「聞いてわかる」ように書くことは意外にむずかしいのだ。もう一つの問題は、読むときにはいつでも読みかえしができるが、講演では、いちど聞き逃したら聞き手の側ではどうしようもないという点である…ひとに聞いてもらう話には適度のくりかえしが必要なのだ。しかし、そういうふうに原稿を書くことは、通りいっぺんの努力ではできなない。つまり、書いた原稿をそのまま読みあげて聴衆をうなずかせるには,シナリオ・ライターの才能と俳優の訓練がいるのである。常人は、上手に読もうとするよりもたどたどしくても一生懸命に話しかける努力をしたほうがいい。

どもったり、つまずいたり、繰り返したり、脱線したり。そんなノイズにも、聞き手の理解を待つための意味があるのだという。なるほど確かに。スラスラと読まれても、咀嚼できずに置いていかれるが、とちってる間に追いつくのだ。これは、流れるようなプレゼンが必ずしも良いプレゼンではない、という感覚に合致する。

ー 欧州では、正式のあいさつや講演は原稿を手にしてするのが礼儀とされる。必ずしも一字一句よみあげるわけではない;先ほどの例のように、自然な話しことばに言いかえ、適当にくりかえしを入れながら、しかし原稿のとおりの内容を「話す」のだ。このために、ことばの量は原稿の1割から2割増しになるのがふつうだろう。

他方で、原稿を作るのは礼儀だ。これもよく分かる。もっと言えば、緊張して臨むことさえ、相手への敬意だと思う。

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2024年11月05日

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 一読しただけでは理解が追いつかなかったため、時間をおいて読んでみようと思う。印象に残ったのは、「6. はっきり言い切る姿勢」で、責任回避的な表現は避けて、「…と思う。」、「…と考える。」と書くべきであると指摘されていた点である。よく「…と思われる。」などと無意識的に書いてしまうため、よく考えて気をつけようと思う。

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2024年07月18日

Posted by ブクログ

この本は、理系のレポートなどについて根本から説明をしてくれる本だ。私が印象に残った箇所は、修飾語をつける位置についての記述だ。「逆茂木」というキーワードを用いて、日本語特有の最後まで読まないと意味が通じにくい修飾のやり方に一工夫を加えるやり方を説明していた。端的にいうなら、修飾語は、被修飾語の近くに置くこと。この本は定期的に再読したい。何度でも新しい発見が得られるだろうから。

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2024年07月05日

Posted by ブクログ

別の本でオススメされていたので読んでみた。随分と昔の本で理科系向けとの事だが、現代のビジネスシーンでも必要とされる基本的な事を学べた。事例が物理や科学のモノなので内容を理解しようとせず文章のわかりやすさだけを注意して読んだ。

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2024年01月13日

Posted by ブクログ

『頭のいい人が話す前に考えていること』
という本の中で紹介されていて
気になったので読みました!
普段こう言った本をあまり読まないので
自分に落としこむ為には何度か読み返さないとな
と感じました。
目標規定文を書くことや、文の構造、文章の流れ等
普段から気をつけたいなと思いました。

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2023年10月05日

Posted by ブクログ

理系の弱点を踏まえた文章作成のポイントが論文例をもとに解説させている。ページ数も少なく特に卒業研究に追われている大学生にオススメです。

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2022年07月10日

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報告書、提案書、論文等を論理的に書く際の気を付けるべきことを具体例を交えて解説している。1981年出版なので、文体は古いが、エッセンスは今も変わらないところが多い。

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2022年06月12日

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人文系は読め
 6章の日本人論と日本語論は怪しい:特に6.2節.しかし内容は具体的で,有用だ.論文向きに見えるかも知れないが,それ以外の文章にも利用できる.『理科系の作文技術』といふ題名だが,文科系にも活用してほしい.人文科学でまかり通ってゐるやうな文章を書いてほしくないし,読みたくもないのだ;それは飛躍的だったり,ひねくれたり,はったりやこけおどしだったり,思弁的だったりしてゐる文章のことだ.例へば,小林秀雄や吉本隆明などがさういふ風に書いてゐた.
 もっとも,今では古い部分があるので,そこは読まなくてもいい.

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2022年09月27日

Posted by ブクログ

読むのに時間がかかった。初めの方は難しく感じたが、後になって理解が進んでいくと、前半の内容もわかるようになる。

私はこの本を読んでから、漢字とひらがなの割合を気をつけるようになった。理科系でないし、まだここまでの技術をまとめられる文を書く機会がないので、簡単なところを実践していきたい。

ここで述べられている技術は作文に限らず、物事を考える多くの場面で活用できると感じた。

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2022年03月10日

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ネタバレ

2020年11月22日記述

理科系の作文技術
木下是雄氏による著作。
1981年9月25日初版。
私が持っているのは2017年10月10日83版だ。
これはもう本書は古典となったと言えると思う。

木下是雄(きのした・これお)
1917年(大正6年)東京に生まれる。
1917年(大正6年)11月16日 - 2014年(平成26年)5月12日
早稲田大学物理学科教授であった木下一彦は息子。

1941年東京大学理学部物理学科卒業。
名古屋大学助教授、学習院大学教授、学習院大学学長を経て学習院大学名誉教授、専攻、物理学、
2014年逝去。

本書は野口悠紀雄氏の「超」文章法でも紹介されていた。
MyNewsJapanの渡邉正裕氏も本書を執筆ノウハウを学ぶ上で読むべき本のひとつに上げている。
現代でこそ文章をいかに書くかというノウハウは多くある。
しかし当時はまだ数少なくその意味で本書の与えた影響は今までに至るほぼ全ての文章ノウハウ本に影響を与えていると言って良いと思う。
ただPCが個人でも使われる時代では無い時代である事、理系でのレポート、論文の書き方(当時の)が中心である為、今の人にとっては必ずしも本書で無くとも書き方が効率的に学ぶ事は出来る事に留意されたい。

事実と意見を分ける、
事実の裏打ちのない意見の記述は避ける、
1つ1つの文は、読者がそこまでに読んだことだけによって理解できるように書く、
自分のした仕事と他人の仕事の引用とがはっきり区別できるように書く

一番大切な事はこの辺りという所であろうか。
一文一意主義、「が」を絶対に使わないようにと指摘する野口悠紀雄氏の注意事項も参考にすれば仕事で使う文章も格段に上達するだろう。
本を作る上で面倒なので省略されてしまいがちな索引がついている事も野口悠紀雄氏が本書を高く評価した理由であろう。
力を入れて本書を作った証なのだ。

他に参考になった部分

書くことに慣れていない人は、誰が読むのかを考えずに書き始めるきらいがある。
…読者が誰であり、その読者はどれだけの予備知識をもっているか、またその文書に何を期待し、要求するだろうかを、十分に考慮しなければならない。

論文は読者に向けて書くべきもので、著者の思いをみたすために書くものではない。
序論は、読者を最短経路で本論にみちびき入れるようにスーッと書かなければならないのである。
…著者が迷い歩いた跡などは露いささかも表に出すべきでない。

日本文学研究者ドナルド・キーン(米国コロンビア大学教授)が次のように言っている。「鮮明でない言葉はフランス語ではない」という言葉があるが、
日本語の場合、「はっきりした表現は日本語ではない」といえるのではないか。

原稿をいちど他人に読んでもらって、まちがっているところ、判らないところ、判りにくいところ、そのほか改良を要するところを指摘してもらうことを勧める。
傍目八目ということばがあるが、実際、自分では当然と思って書いたことがひとりよがりであることを思い知らされたり、思いもよらぬ受け取り方をされギョッとしたり、必ず得るところがある。…読んでもらう人がみつからないときには、原稿をしばらく(できるだけ長い期間)寝かせておいてから読み直すといい。
忘却が目を新鮮にし。
アラがよく見えるようにしてくれる。

飛躍のない記述をすること。
読者は、論文の主題ならびに
それに関連するいろいろな研究を、著者のように知り抜いているわけではない。
著者が「これは書くまでもあるまい」と思って論理の鎖の環を1つ省略すると、読者はついていけないことが多い
事実と意見をはっきり区別して書くこと。
特に事実の記述のなかに意見を混入させるな。
これに似た心得として、論文の中では、自分のした仕事と他人の仕事の引用とがはっきり区別できるように書くことが特に重要である

まぎれのない文を書くこと。
理解できるように書くだけでなく、誤解できないように書く心がけが大切だ。

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2021年12月25日

Posted by ブクログ

一読して無味乾燥な本だなという印象なんですが、まさにこの本が「理科系の作文技術」によって書かれてるからなんですよね。

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2021年11月06日

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