【感想・ネタバレ】秘密のひとときのレビュー

あらすじ

路地の奥に隠れ住む、超能力を持つ老人(「路地裏の天才」)、夜はナイトクラブの超人気ダンサーに変身する児童劇団所属の小学生(「名優キャット」)、穏やかに余生をたのしむ老紳士の密かな欲望(「生きる歓び」)……など“一見普通”の人々が隠し持つ、「もうひとつの顔」をテーマにした短篇集。軽快な語り口で、人生の苦さや怖さ、そして切なさを見事に描く、全5篇を収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

軽読みできる短編集。収録は
路地裏の天才
名優キャット
生きる歓び
眠れ、よい子よ
気まぐれな犯罪者。

路地裏の天才では、河田美智は、抜けられると言や抜けられるけど、抜けられないと言えば抜けられない路地に入っていく。

2度目に読んだとき,はっとすることがあった。軽読みしていたときには気が付かなかった,赤川次郎の背景。
赤川次郎の闇の一部が,薄く,静かに,広がっている。
路地裏の天才 は,やらせだった。主人公の誠実さが光る。
名優キャット は,秘書の一途なところが光,主人公の妖艶なところが煌めく。
生きる歓び は,後悔先にたたず。
眠れ、よい子よ は,腹違いの妹との衝撃の出会い。
気まぐれな犯罪者 は,お金持ちのお嬢様のおばさん版。幸せ終わり。
深いところに人間味をちりばめている。
悲しい中にも幸せがあることを書こうとしている。

0
2011年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

路地の奥に隠れ住む、超能力を持つ老人(『路地裏の天才』)。夜はナイトクラブの超人気ダンサーに変身する児童劇団所属の小学生(『名優キャット』)。穏やかに余生を楽しむ老紳士の密やかな欲望(『生きる歓び』)・・・など。一見普通の人々が隠し持つ、「もう1つの顔」をテーマにした短編集。軽快な語り口で、人生の苦さや怖さ、そして切なさを見事に描く、全5編を収録。・・・短編集で読みやすかった。各話で語られる数々のすれ違いやトラブルは、自分の知っている人間が秘密を持っていることがたまらなく不安であるという、ある意味無理もない人間心理に根ざしている。秘密は秘密として存在することで、社会はバランスのとれるものだとあたしは思うけど、この本の中での秘密を知ったそれぞれの結末は、とてもすっきりしていて、後味がいい。読んだ後のすっきり感を与えてしまう所が、赤川次郎らしいと思った。

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2011年01月30日

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