あらすじ
百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。一整が見つけた「宝もの」のような一冊を巡り、彼の友人が、元同僚たちが、作家が、そして出版社営業が、一緒になってある奇跡を巻き起こす。『コンビニたそがれ堂』シリーズをはじめ、『花咲家の人々』『竜宮ホテル』『かなりや荘浪漫』など、数々のシリーズをヒットさせている著者による、「地方の書店」の奮闘を描く、感動の物語。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
村山早紀先生の本はどの本も好きで、この本はタイトルに「桜」ってあるから、初めて読むなら春に読みたいと思っていた。
村山早紀先生の著書の中でも特に評価が高い本だから、期待値は高かったけど、読んだ結果は想像以上に心が暖かくなって、涙がほろりと流れる作品だった。
主人公は最悪なところから奮起する。自分は悪くないのに、名前も顔も知らない第三者から非難されて、不本意ながら大好きな勤め先である本屋から離れる。
主人公は目立つ書店員ではない、でも彼が居なくちゃ成り立たないそんな縁の下の力持ち的な存在。それを勤め先の人全員が理解していて、彼のために、彼が最後に絶対売りたいと言っていた「四月の魚」を売り込もうとして、結果成功している。
現実はそんな簡単にいかない。
売り込もうとした本が売れないことだって多いだろうし、主人公を取り巻く人全てが善人なわけがない。職場に1人、2人意地悪な人がいたっておかしくない。旅行先の場所が素晴らしく合うってこともあまりないし、ネットでやり取りしていた人がいい人だってことも少ない。
でも、この本はフィクションだから、だからこそそんな奇跡的なことも受け入れられるし、その奇跡に救われる。
主人公含め取り巻く人々や動物がみんないい性格で、それぞれの人の思いに共感して、心が暖かくなって悲しみではない涙が流れた。
最後に、四月の魚、私も読んでみたいなって思った。そして苑絵が作った美しい帯のイラストも、店長が作った装飾も、なんなら物語の舞台である風早の町に行ってみたいなって思う。どんなに暖かで安らげる世界なんだろうと想像に胸が膨らむ。
Posted by ブクログ
序章 朝の子猫
第一話 オウムとコーヒー
第二話 霧の中
第三話 遠い日の絵本
幕間 子猫と少年
第四話 桜と恋文
第五話 春の野を行く
第六話 その店の名は
幕間 空を行くもの
第七話 四月の魚
終章 光舞う空
あとがき
ーーーーーーーーーーーーーーー
春にぴったりの素敵な表紙に惹かれて手に取りました。
表紙村山早紀先生、初読み。
本好き、書店好きの自分にはこの本が初めての出会いで良かったと思います。
読み始めから登場人物の誠実さや優しさに溢れている文体で、きっと素晴らしく感動するお話なんだろうな、と予感をひしひしと感じていました。
案の定、実際の登場人物はみんな優しくあたたかい心を持っていて、売りたいと信じた本のため、それぞれが自分のできることをすることで、奇跡の連鎖を起こしました。
書店や書店員さんのお仕事の裏側や心構え、苦悩などなど、著者先生は元書店員さん?と思ってしまうくらいに詳しく知ることができて、とても勉強になりました。
今後はもっと本屋さんで棚やPOPをじっくり楽しんで見てみたり、お金を落とさなければ…!と改めて思ったり。
心がギュッとしたり切ないシーンもあったけれど、あたたかく優しいお話で、大好きな一冊になりました。
一整の、登場人物の今日が、いい日だといいな、と私もついつい願ってしまいます。
自分は苑絵タイプ(全くかわいくはないけど)だけど、渚砂が好きだよ!
また、「桜風堂ものがたり」というタイトルから、主人公が桜風堂にきてからがメインのお話かと思っておりましたが…半分読み進めてもまだ到着せず…(笑)
桜風堂へ行くことになる書店員さんと銀河堂書店の良き仲間たちのお話として読んだらいいかなと思いました。
一整が桜風堂で活躍する姿が読みたかったので、2巻を楽しみにしたいと思います!
Posted by ブクログ
自分が感動した本を、1人でも多くの人に読んで欲しい。
その熱い想いで仕事をしている書店員達の優しさや、繋がりに心が温かくなるお話だった。
主人公の月原一整が銀河堂書店を辞めた後に、職場の仲間が、彼の売りたかった本を売ろうと力を尽くす様子を見ていると、辞める前にもっと彼の為に動けたのでは?と思いもしたが。
それでも、一整が見つけた素晴らしい本を届けたいとの動きが、どんどん広がっていく様子は、一整を思う人々の、熱意や悔しさや優しさが感じ取れて感動した。
Posted by ブクログ
父・姉の交通事故死を契機に心を閉ざした青年書店員と彼が務めた老舗銀河堂書店の人々の活躍と、老舗書店をやむなく退職した後に田舎の個人書店桜風堂の店長としての物語。
この本を読み始めてまず気になったのが、題名である「桜風堂」がなかなか出てこないこと。半分以上読んでやっと出てきたって感じ。題名はこの本の内容にふさわしくないんじゃないかな? だからといってどういう題名にすべきか私に案は無いけれど。。。
最初にこの本に対して批判めいたことを書いてしまったけれど、この本の内容は素晴らしかったです!
書店の棚に並んだ本を今まではただ何となく見ていたけれど、書店の店員さんって自分が担当する棚、平台に対してこんなにこだわりを持っているのかと。ある意味、自己実現の場なんだなと。
この物語に出てくる書店の店長をはじめ店員が個性的でみんな心優しい人々なので安心して、楽しく、時には涙しながら読み進むことが出来た。
「桜風堂ものがたり」の続編として、「星をつなぐ手 -桜風堂ものがたり-」が出版されているそうだから、ぜひ読んでみようと思う。この本が、正真正銘の「桜風堂ものがたり」だろうな。
Posted by ブクログ
本屋の店員さんの話。
今はカリスマ的な存在の書店員さんがいるのは知っていたがいろいろな苦労があるんですね。
確かに本屋に行くと人目を引くようにポップや飾り付けをしてますね。大変だと思う。
苑絵が描く絵ってどんな絵なんだろう。想像したけどダメだった。それを表紙の絵にしてくれたら・・・
心温まる本でジーンとくる場面もあり良い本だと思う。