あらすじ
里山を守り、おもてなしを尽くす。
かつて大バッシングを受けた産廃会社が、地域に愛され、
世界が注目するリサイクル会社に生まれ変わった――
崖っぷちからの“逆転”企業再生を果たし、『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)など
テレビ出演などでも話題の石坂産業二代目社長・石坂典子氏が語る
業界の常識を覆し、名経営者をもうならせた「感性の経営論」。
「肩肘張らずに自然体。それでもなぜ胆が据わっているのか」
――伊那食品工業株式会社 取締役会長 塚越 寛氏
「後継者にしたい娘ナンバーワン、優しそうに見えて実は・・・」
――星野リゾート代表 星野 佳路氏
【主な内容】
プロローグ ジャンヌ・ダルクがやんちゃだったころ
【CSV編】グローバルに考え、ローカルに行動する
【リーダーシップ編】しつこいトップダウンに始まり、おおらかなボトムアップに至る
【競争戦略編】値決めは経営。安売りは断固、拒否します!
【人材教育編】「自分で考える」のは面倒くさい? 仕事の醍醐味を伝える
【キャリアアップ編】「社長=父」、この繊細にして偉大な上司の生かし方
【ワークライフバランス編】バツイチのワーキングマザーが、心の安らぎを取り戻すまで
【コミュニケーション編】社長業は、社員とのあいさつ一つから真剣勝負
エピローグ ―― 笑われてもなお、夢を描き続ける
【経営者による石坂産業見学記】
伊那食品工業株式会社 取締役会長 塚越 寛氏
星野リゾート代表 星野佳路氏
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
産業廃棄物の関連の仕事をしているので、この本を読んでみました。
石坂社長の行動力、勉強量がすごい。
また、やると決めたらとことん突き詰めていくやり方もすばらしい。
自分としては、石坂社長の考え方、動き方を少しでもいいからマネできるようがんばっていきたいです。
また何か新たなことにチャレンジしている石坂社長の本が楽しみです。5年毎くらいに本書いていただけるとありがたいです。
Posted by ブクログ
大枠は、二代目社長さんのこれまでと考え方。
他の方の感想に無かったもので、
個人的に、好きな箇所は
「子供たちにiPadでスケジュールみられて、週に夕飯を一緒に過ごす日が少ないとブーイング」
仕事だけでなく、母親としてもご活躍されている姿は頭が下がります。
Posted by ブクログ
上司に勧められて読みました。読みやすい文章ですが物事の本質をつくようなところもあり、考えさせられました。
本自体の話から逸れますが、廃棄物処理に文句を言う人はゴミを捨てる資格がないですね。そういった短絡的な思考に陥らないよう注意したいと思います。
Posted by ブクログ
ものすごく共感できた。素晴らしい経営者が素晴らしい会社をつくる。そのロジックあるのみ。
石坂さんは産業廃棄物処理会社「石坂産業」の2代目社長です。
産業廃棄物処理というと、いわゆる3K(汚い、きつい、危険)の典型的な業種で、男性中心の業種というイメージありました。石坂さんは名前のとおり女性です。創業者の父親から社長の座を受け継いだといっても、男性中心の会社であったことから、多くの反発を生み、多くの社員が退社しました。
さらに環境問題の高まりから周辺住民とのトラブルもあり、難しい経営の舵取りが求められました。
そうした中、石坂さんはまさにタイトルにあるように「五感」を研ぎ澄ませ、真剣に仕事に取り組み、多くのアイデアを考え実行し、見事に成長させ、今では多くの見学者を迎え入れるほどの優良企業へと成長させました。
本書は、石坂さん自身がどのように取り組んできたのか、石坂さんの言葉で熱く書かれていて、とても引かれるものがありました。
なかでも関心したのは、以下の考え方です。
・価格競争をしない
ライバル会社に真似できない技術を生み出し、相手から選ばれる企業になる
・顧客にも礼儀を求める
もちろん適正なサービスあってのことですが、マナー違反には厳しく対処する
まぁ、そうは言っても相手のあることです。これらを実現するためには自分たちの企業価値を高め、尊敬されることが必要です。
そうなるまで愚直に取り組んだ石坂さんの熱意には感動を覚えました。
Posted by ブクログ
内容自体とても良いのですが、特に、星野リゾートの星野社長が石坂産業見学記を寄せていて、それがすごくいいです。星野社長の話を補助線にすると、石坂社長のやろうとしていること、親子の関係など、この本に書かれたことのすべてに、一本の筋が通っていることが見えてきます。
Posted by ブクログ
ちょっとした思いつきだけでは、大きな共感は得られません。小さなアイデアを出発点に、地域の歴史を深く学び、世界の人たたが持つ問題意識と照らし合わせた時、大きな変化が生まれました。
廃棄物とは、誰が出すのでしょう。どこから出るものでしょう。私たちの社会から「汚れた廃棄物」が絶えず出てくるのは、どうしようもない現実で、そんな現状を批判するだけでは、何も変わりませんし、変えられません。
だから、力を合わせて取り組めることはないか、一緒に考えてほしい。
社会貢献というと、海の向こうの貧しい国に何かを贈るといったイメージを抱く人も多いですが、そればかりではありません。むしろ足元を丁寧に見直し、身近な利害関係者を幸せにし、世の中のためになる切り口を考える方が、実り多いアイディアが出るような気がしてます。
Posted by ブクログ
凄い人だ。荒っぽい産廃会社の社員を引っ張る女性社長というのも凄いけど、それより30で社長という年齢にびっくり。よっぽど普段から物を考えてきていないとできない。「やんちゃだった」というのをみてよくある「昔はワルでした」という手垢のついたストーリかと思ったけど、若気の至り的な要素があるとはいえ一人でアメリカ留学してプラプラするという、なかなかのバイタリティ。
ただ本書はもう少し踏み込んでほしかった。「そこもう少し詳しく語って」というところのオンパレード。
自分たちが出したゴミを処理するという社会的な使命がすごい。反省します。『要らなくなったモノはポイと捨てて、誰かが処理してくれるのを待つだけ。しかも、自分には見えないところで、できるだけ自分から離れたところで、そっと処理して欲しいということですか』
2代目社長としての偉業:
『トップダウンばかりでは、社員はなかなか育ちません。しかし、指示待ちになれた社員に突然、ボトムアップを求めれば戸惑います。最初のうちは、トップダウンのしつこい教育も必要でしょう。それで社員が成長したら、その立派な働きぶりを第三者に見せる。そこで褒められれば社員は劇的に変わります。社長業とは舞台監督のようなものだと思います』