【感想・ネタバレ】メビウス・ファクトリーのレビュー

あらすじ

町の住民のほとんどが働く巨大工場。しかし、そこで何が作られているのか、実は、誰も知らない――。妻子を連れて地元の町にUターン就職し、町一番の工場に就職したアルト。完璧な管理システムを持った工場は、町民の誇りと憧れの存在だったが、アルトは働き続けるうち、徐々に工場の“秘密”に気づきはじめ――。閉鎖的な企業城下町を舞台に、現代日本を照射するSF長編。【目次】第一章 新入社員/第二章 鑑定士見習い/第三章 熟練工/第四章 新入社員、その後/第五章 新人鑑定士/第六章 パンデミック/第七章 お尽くし

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Posted by ブクログ

ネタバレ

足元がすくんだ。「私の生きてきた人生って、本当に私自身が選んで来たんだろうか」と怖くなった。P1と言う読み手からしたら何のこっちゃ訳が分からない物をひたすら製造し、誇りすら持つ住民。盲目的に信じきる自分たちの生活はある意味安寧だ。出来れば真実を住民全員に暴露して、ラストには住民が目を覚ます描写まで欲しかったが、真実を知る事が幸せとは限らないので、この終わり方が1番良いのかなと思う。結局、「ボーッと生きてんじゃねえーよ!」と、自身のこれからの人生にも、この住民達にも某女の子の台詞を伝えたい・・(読書メーターにも投稿)

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2020年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界にとって重要だと言われているが、実際にどう使われるのか判らないP1という製品を作り続ける工場。
工場内ではP1を神格化した用語が使われ、それは住民のほぼ全てが関係者である町全体に広がっている。ある日、工場で「汚染」が起きて・・・。
原発事故や「20世紀少年」のような話も出てきます。

三崎さんの面白さの一つは「あり得ない設定」に牽強付会の論理をぶら下げて行くところなのです。しかし今回はその根本のところが”お金”がらみ(それも途中で予測できた)になってしまい、妙なリアリティーと生臭さが出てしまいました。
むしろマインドコントロールに対する警告の書と見るべきでしょうか。する方もですが、受ける方も考えることを放棄し、安易に流される怖さのようなものは感じます。
でもそんなことを三崎さんに望んでないのですが。

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2018年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たった一つの製品を生産する企業に支配された町のSF小説。

作者らしい世界観、キーワードで拘束感を盛り上げてくれます。
後半はその世界が欺瞞に満ちていることに気付いた人々がレジスタンス的に行動しますが、作者得意のジワジワ感ではなくサスペンスアドベンチャー的ですが、転がるような展開は面白かったです。
ただ、落ちとしては不条理感が前面に出て、何がなんだかすっきりしない感じでした。
他の物語との繋がりがあるかなと思いましたが、そうでもないようです。
結局「P1」って何?「ME創研」って何?という疑問のみが残りました。
やはり作者は短編や短編を基に膨らんだ長編の方が面白いような気がします。

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2016年11月29日

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