あらすじ
天才絵師と猫。江戸の怪事件を解く!
今なお人気の歌川国芳が風刺画、春画、滑稽画を引っ提げて江戸の怪事件に出くわす!
猫を愛した天才が活躍。『耳袋秘帖』の著者が描く、ユーモア溢れる短編集。
美人画、春画、幽霊画、ご政道批判の風刺画まで。
黒船来航の時代に八面六臂の活躍を見せた天才絵師・歌川国芳。
個性派揃いの弟子たちと、八匹の猫に囲まれながら遭遇するのは、金魚偏愛者や贋国芳、葛飾北斎の娘や歌川広重も登場する怪事件ばかり。
謎と老いらくの恋が絡み合う――人気時代作家待望の短編集。
解説・金子信久
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Posted by ブクログ
歌川国芳の周囲で起こる様々な事件とその顛末を軽快に描いてあった。
下手なのに国芳に絵を習いに来る老人、金魚を偏愛する男、北斎の娘・応為に振り回される日々、病を抱える妻に義母に自分自身に猫、幽霊が出てきたり、歌川広重との冷戦があったり、最後は自分の偽者まで現れたり。
国芳が大好きな猫は常に八匹置いておくと決めているらしいが、一匹亡くなったと思ったらどこからかまた新しい猫がやってくるのも面白いし、弟子たちも増えたり減ったり。
人の死や殺人も起こるが、陰惨ではないので楽しく読めた。
出来れば作中に登場する作品を掲載して欲しかったかな。
自分で検索して眺めながら読んだ。
五十代半ばの国芳が描かれているので、自分や家族の健康や老いらくの恋、自分の作品がどう残っていくのかを考える様子など、興味深い部分も多い。