あらすじ
低福祉、格差社会のアメリカだが、貧困老人に関しては年金や支援制度が手厚い。日本のように40年まじめに働いた人が年金で生活できないことはありえない。全米を徹底取材。なぜ、日本の老人は不幸なのか。取り入れるべき支援制度は。新しい問題提起が満載。
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Posted by ブクログ
アメリカは日本以上に格差社会であるが、実は低所得の老人には手厚い保護がある。だが、国民皆保険がないアメリカでは中流階級の老人には医療や介護には非常にお金がかかる。ただし、下流になったら政府やNPOから保護が受けられるため、あまり悲観的な老人はいない。
アメリカと日本が違うのは、住宅に関する保障。日本も一応生活保護の中で住宅補助はあるが、支給は生活費と一緒に振り込まれることもあり、住宅に対しての保護という概念はあまりないが、アメリカでは収入の3割しか家賃を負担しなくてもいい、また低所得者のための公営住宅も充実しており、住むところに不安はあまり無さそう。
また、日本と大きく違うのは、NPOの多さ、一般人の寄付の多さかと感じた。社会保障関係のNPOが非常に多そうで、困っている人に適切な助言をしてくれる人が役所だけではない。また、高所得者がそういうNPOに多額の寄付をしており、それが低所得者へ回っている。保護を受ける人も受給することに対して罪悪感やプライドなどは日本に比べて無さそう。
老後の不安が多少少なくなれば、日本でも若者がお金を消費に回し、経済の活性化に繋がるのに、今の流れでは、老後の準備は自分でしなければならないし、給料も上がらないし、余分なお金を消費に回そうっていう気持ちにならない。