あらすじ
「原文を書かれたとおりに訳す」。
この翻訳の普遍の原則を、ベテラン翻訳者がさまざまな用例をあげながら、詳しく解説。
著者自身の実践的な翻訳例も多数紹介。
『翻訳の基本――原文どおりに日本語に』の待望の続編!
※著作権の問題により、紙書籍とは内容が一部異なります。
【目次】
第I章 翻訳力をつけるには
1 物知りの友人
2 訳語の選び方
3 原文には当たり前のことしか書いていない
第II章 単語力養成講座
第III章 重箱には四つ隅がある
1 国語に気をつけよう
2 西洋事物翻訳事情
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さすが翻訳のベテランだけあって、目からウロコの情報が満載。大学生なら必読の一冊だろう。
・拳銃の「三十八口径」は正しくは「三八口径」
・翻訳者のPCには、聖書とシェークスピアを入れておくべし
・textは動詞で「携帯でメールを送る」という意味
・give a laughは鼻で笑う
・back painは背中の痛みではなく、腰痛
・イギリスの小説でbefore the warとあるとき、それは第一次世界大戦のことを指す。
・yesterdayにはすぐに、という意味もある
・nodはうなずく、もあるが、任意の方向に首を動かすという意味
・lip serviceは、口先で神をたたえながら実際にはそうしないこと、というずばりの意味がある。
・起きる、と起こるの違い。起きるは横のものが縦になること。起こるは新しく生じること。
Posted by ブクログ
翻訳に苦しんだり、手を染めかけている人におすすめ。
常識的で読みやすい内容が良い翻訳ということなのだろう。
ただし、ベテランの腕になる翻訳や、常識的な訳、
そして、味わいがある翻訳となると、その違いが判然としない。
その辺りは、翻訳を生業として初めて見当がつくものだろうか。
週間STの紙上連載がまとめられたもの。
翻訳を学ぶ上で参考になる点もあるが、どちらかと言えば、
思わず笑ったり、「ああ、自分も」と頭を抱えたりしながら
肩の力を抜きたいときに読みたい。