あらすじ
「地震のリスクが低いから」という理由で、熊本は多くの企業の重要な生産拠点となっていた。にもかかわらず、大被害を伴う群発地震が起き、今なお続いている。気象庁や地震学者たちやマスコミは、「前例のない群発地震」と喧伝するが、これはおかしい。1965年に、今回とよく似て、しかも思い出すのも恐ろしい群発地震が日本で起きているのだ。有感地震だけで62,826回というとてつもないものである。なぜ、これに、誰も触れようとしないのか? 本書では、地質学者として地震研究を行なってきた角田史雄氏の唱える「熱移送説」から、地震のメカニズムを説き明かすとともに、地震予知について「プレート理論が信仰されている」のも「活断層が動いて直下型地震が起きると考えられている」のも日本だけであることを明かし、日本の地震研究の「引きこもり体質」を暴く。そして、「熱移送説」による、説得力にあふれた地震予知のあり方を、具体的に示す。
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Posted by ブクログ
今年発生した熊本群発地震など、プレート理論では説明できない。
著者はそれに代わる熱移送理論を提唱する。
プレート理論がでてくる前、我が国で主流だった熱機関説に近いものだ。
火山活動と地震とが密接に関連しているというのは、直感的にもしっくり来る。
来年から再来年(2017-18)にMJルート上にある伊豆・相模地域に震度7クラスの地震が来るとの予測が正しいのか、注目される。
著者の理論が正しければ、現在ではほぼ不可能と思われる地震予知への道が開ける可能性がある。
ただ図表と本文はうまく噛み合っていないなど、本書の説明がわかりやすいとは言えない。
最終章の地震対策も総花的で散漫な印象を受ける。