あらすじ
頭脳より知識より大切なものがある!ハーバード・ビジネス・スクールの深い反省から生まれた超人気授業次世代リーダー育成新プログラム 東北「フィールド・スタディ」の秘密Knowing(知識)からDoing(実践)、そしてBeing(自身を知ること)へ。
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Posted by ブクログ
ハーバードの日本の東北を経験する講座はなぜ存在し、どのようなことを行い、どのような効果があるのかを記した一冊。異文化と触れることの可能性、意義を感じさせてくれる一冊。名著。
理念型の利益にとらわれないリーダーシップ、経営とは企業のあり方とはなんなのか。ハーバードからの視点を通じて、考えさせてくれる一冊。
<メモ>
・knowing, doing,being
知識、実践、価値観信念。
MBA教育の結論の核。
実践のスキルがなければ、知識があっても役立たない。自己の存在からくる価値観や信念を反映した自己認識がなければdoingのスキルも方針が定まらない中で有効に使うことができない。実践の場を増やし、行動のベースとなる自身の価値観、信念の認識を深める教育を行っていかなければいけないという結論。日本の武道でいう心技体の概念に近い。
・フィールド教育という概念。
フィールド基礎で 自身のリーダーシップスタイル
行動への理解を深めるワークショップ
グローバル知性で新興国のフィールドプログラム
統合知性で事後湯立ち上げ経験。(失敗経験重視)
・ビジネスは共通言語だということ。誰もがうまくやりたいと考えており、ビジネスコンセプトやフレームワークはどんな分野の人でも理解できる言語へと変換できるもの。
Posted by ブクログ
ハーバードのフィールドメソッド。ケースメソッドで世界一となったハーバードの進化はこのケースからフィールドに出たことにあると言われる。確かに、現実の世界で通用するのはケースで過去の出来事を今ならどうやるかという観点で見ることではなく、現場で起きるさまざまなことを、ある一定の「何か」=これが大事だと思うけど、を持って「決める」ということだと思う。
knowing フレームワークや理論を教えて、知識をつけることに重きを置きすぎてきたことから、doing つまり実践の場を持つ方向性になったということでもある。その際に、自分がどうあるべきか、会社は何のためにあるのかといったbeingがその根底になければ一貫性を持って確固たる信念を持って実践することは難しい。
また、その源流となる体験は、新興国におけるコンサルに従事するプログラムもそうだと思う。いったことのない国で、コンサルをやる。これぞノウハウ本では身につかない絶対的な経験値となるからだ。会社では国際部門やら海外企画やらが存在しているが、海外で起きている問題を解決する能力はゼロに等しい。だからこそ、こうした実践が重要となる。
本書の監修を行っている竹内先生の講義を幸いにして受講していたが、確かに、本書にある「生徒を笑わせながら、鮮やかに盛り上げていくこのスタイルが、真面目な顔で知識だけをインプットしていく日本の教育者に衝撃を与えた」という点も非常に納得できる。まず、思いっきりアイスブレイクしてから、本題に一気に切り込み、そして笑いあり、厳しさありで進んでいく。最後は、めちゃくちゃモチベーションが上がって終了。やってやる、明日から何かを変えよう、そんな風に毎回思える授業だった。
本書が低減するビジネスの本質とは何か。それは、ビジネスの要諦は戦略でも戦術でもない、その手前にあるミッションや想いのようなものが、グローバルに戦える源泉となるということ。東北に恩返ししたい、東北の良さを伝えたい。原体験からくる、その思いが最も重要なコンピテンシーを産む。真のエリートはナイスな人というのも頷ける。頭がいい、相手を圧倒できる能力ではない。相手が言っていることの粗や弱い部分を突くことで、相手を言い負かすのではない。ハーバードの学生が持つ、平身低頭、聞く姿勢を貫き、共感し、インタビューで本質を聞き出す力、実るほど頭を垂れる稲穂かな、この言葉こそ、本書の最大の学びであったとも言える。