あらすじ
なぜ男性の「家庭進出」が進まないのか。著者は「これまでのイクメンブームの盛り上げ方に短絡的な部分があったと認めざるを得ないのではないか」と問いかける。ではどうしたらいいのか。仕事と家庭の板挟みに悩む父親たちの本音、彼らに殺意さえ覚えるという妻たちの本音、理想ばかりを言っていられない会社側の本音、そして冷徹に世相を物語る数々のデータからヒントを見い出す。●自らブラック企業化する父親たち●ワーク・ライフ・バランスという名のマッチョイズム●「世間の風潮」と「目の前の妻」の価値観のズレ●「昭和の亡霊」にとりつかれた夫婦●妻の殺意にも気づかずベタベタしてくる夫●女性というパワハラ?●「同時多発育休」で「育休倒産」?●ジレンマから抜け出すための8つの心得 etc.※以下、本書「第1章 自らブラック企業化する父親たち」より抜粋 「産後クライシス」「家事ハラ」。いずれも夫婦間の対立が社会現象化したものだ。「結局男と女どちらが悪いのか」という社会的論争に発展した。しかしこの論争は不毛だ。どちらが悪いわけでもない。どちらもキャパオーバーなのだ。よほどサボっていた会社員でもない限り、それ以上業務の効率化などできるはずがなかった。そこでさらに「家族時間を捻出しろ」というのは、絞りきった雑巾をさらに万力にかけ、最後の1滴を絞り出すようなものだ。下手をすれば雑巾が破れてしまう。
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Posted by ブクログ
"「仕事と家庭の両立」とは言うけれど、必要なのはマルチタスクのスキルではない。大切なのは、もっと頑張ることではなく、何かを手放す勇気なのだ。要するに、自分は何をして、何をしないのかをはっきり選択することに尽きる。
自分の人生にとって本当に譲れないものは何なのか、それさえわかれば自ずと道は見えてくるはずだ。そこさえしっかりグリップできたなら、後の些細で雑多なことは、焦らずに、できる範囲で調整していけばいいのではないだろうか。"
いろいろなデータや厳しい現状の事例をみてきて、結局これから父親たちはどうすればいいのかというのは、おわりにで述べている上記がまさしくそのとおりなのではないかと思います。
私自身も子供が生まれてから、時間にゆとりがなく、切羽詰まっていた時期がありました。そこで、一度立ち止まり、自分にとって何が一番大切なのかをしっかりと見つめ直し、その結果独立しました。
子供が生まれることは、けして何かをあきらめるということではなく、本当に大切な事をちゃんと選択するためのいい機会であったのではと思います。