あらすじ
航空上の脅威となる、強大な“人狗(ヒトイヌ)”の襲撃から〈共和国〉の緑化政策船団を護る生体兵器として生まれた少女・員(エン)。百年に一度、たった半年の任務のために存在している員は、ある日情報が枯れきった互聯網(ネツト)で、cyと名乗る人物に呼びかけられる。「会えて嬉しい。僕は常に一人だから」――ぎこちない会話を交わすうちに、員は彼に直接会いたいと願うようになる。だが、共和国による細菌兵器散布の脅威がcyに迫っていた。彼女は彼を救うため、二百二十一隻の船に戦いを挑む決意を固める。絶望的な戦力差を超えて、員はcyの元に辿り着くことができるのか。鮮烈な印象を残す本格SF。
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Posted by ブクログ
SF好きの琴線をビンビンかき鳴らすワードに世界設定と前置きは最高なんだけど、戦闘、道士怖い、戦闘、道士怖いの繰り返しでその設定があまり活かされておらずすごく勿体なさを感じてしまう。
300pに満たない内容なのでそうした設定はあくまでも添え物なのかもしれないけれど、もっとボリュームを持たせたスケールの大きい話で読みたかった。
死体に意識をダウンロードすると言うとんでもない方法で降臨する道士の不気味さとパワハラを通り越した粗暴さにこりゃすげえのが出て来たとワクワクしたものの、再び目覚めるまでの100年の間に大きく衰退した共和国の状況を目の当たりにし、さらに明らかな負け戦を強いられるこの状況でもなんとか頑張ろうとするその姿にだんだんと「道士頑張れ」と思い始める自分がいた。
員とcyの邂逅とかどうでもいいから道士のアップロード成功してくれと願ったものの、あまり掘り下げられてない人物に嵌められて死んでしまいすごく残念だった。この辺りももっと因縁めいた人物の手にかかっていれば違ったんだろうけど、いかんせん短い話なので仕方がないか。