あらすじ
私、明田マリ子、ハイ・ミス。OLのとき年下の男に失恋して、いまは有名な女流作家、秋本えりか先生の家でお手伝い兼秘書兼イヌの散歩係。月末になると、いろんなタイプの編集者が原稿催促におしかけてくるが、なかでも美青年編集者鈴木ノボルクンがくると、先生は仕事そっちのけでウロウロソワソワ……。人気女流作家の私生活と、ハイ・ミスの複雑な心境をユーモラスなタッチで描く。
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Posted by ブクログ
再読。何回も読んだ作品。1976年刊行。
人気女流作家の日常を住み込みの秘書兼お手伝いの女性 ・マリ子を通して描いたユーモア小説。
きっかけは昼の連続ドラマ、女流作家役は園佳也子さん。
読み始めた当時は、普段は亭主をほったらかしにしていながら、亭主がちょっと家を空けようものなら烈火のごとく怒るくせに、自分はいそいそと若くてハンサムな編集者とディナーへ出かけたりと、女性の家庭での役割や在り方、置かれている状況を皮肉ったところが小気味よかったのだと思う。
女流作家、亭主、高校生の娘とも朝ごはんはほとんど食べず、時間帯もばらばら。
住み込み始めた当初は自分だけの朝ごはんをしっかり作っていたマリ子もいつしか朝ごはんを適当に済ますようになる。
「朝ごはん」が幸せの家庭の象徴のようで、最近は「朝ごはん抜き?」というタイトルが身にしみるようになった。