あらすじ
「東京に逃げることにしたの」。高校を卒業してまもなく、同級生だった順子から清美に連絡が入る。二十も年上の男と駆け落ちするという。故郷を捨て、極貧の生活を「幸せ」と言う順子に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた女たちは引き寄せられていく――。自分らしく生きてゆくことの難しさ、そこにある確かな希望を描いた連作長編。
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Posted by ブクログ
評価は4.
内容(BOOKデーターベース)
「東京に逃げることにしたの」釧路の高校を卒業してまもなく、二十以上も年上の和菓子職人と駆け落ちした順子。親子三人の貧しい生活を「しあわせ」と伝えてくる彼女に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた高校時代の仲間は引き寄せられる。―わたしにとって、本当のしあわせとは何か?ままならぬ人生を辿る女たちが見いだした、ひとすじの希望。生きることへの温かなエールが胸に響く物語。
それぞれの女性は個々に精一杯生きていて・・・それはそれで良いが、順子を見てあ~だこ~だ言う神経に今一共感できず。長い年月を経て最後には皆それぞれに幸せをつかむって事なんだろうが・・・
Posted by ブクログ
1984 清美
高校卒業後、ホテルに就職。須賀順子とは同級生で同じ図書部。
札幌の和菓子屋に就職後、20以上年上の旦那と駆け落ちすると知らされる。
1990 桃子
フェリー乗務員、同じ乗務員と船上のみの不倫関係。順子は東京でラーメン屋「宝食堂」を旦那と営む。自分の関係より大変なのに幸せだった。
1993 弥生
福吉弥生は札幌で「幸福堂」営む。職人だった婿の恭一郎は順子と駆け落ちした。失踪届を出した旦那に東京まで会いに行く。
2000 美菜恵
順子が高校時に教職員住宅まで押しかけて告白した谷川先生。その彼を密かに思い同じ教職の道へ、職場で再開した美菜恵は谷川と結婚することに。
2005 静江
順子の母。若い時は娘よりも男を追いかけた母だが、年老いて一人になった時、娘を思う。
2009 直子
地元で看護師として働く直子も両親を失い一人に。ふっ、と順子の手紙が気になり会いに。あった瞬間に順子の重い病気を知る。こんな大変な順子なのに、そこに幸せを見出す彼女を見て、自分の姿のあり方を思う。
順子は自分の人生を一生懸命に生きている。小さくても一番の幸せを感じている順子を周りの女たちは、彼女の周りを自分勝手に取り巻いている。
何だかなぁ〜。
Posted by ブクログ
東京で生活をしている順子を中心に、6つのそれぞれの女性の物語が描かれている。こじんまりと生活している順子は同級生や母親に、自分は幸せだと伝えるが、実際の生活を見るとそのギャップがある。読んでいくうちに順子は心から自分が幸せだと思って生活しているし、背負うものもたくさんあることに気付く。会話も年が経つ事に変化があって面白い。何より順子の純粋さに憧れる。