【感想・ネタバレ】罪と罰(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

圧巻だった。そこらの本とは一線を画してる。

読んでからいろいろ考えたけど、解説にほぼ書いてあったのであれ読めばここに書かなくていい。自然に考えさせられるってこと自体まで書いてあった。

翻訳は少し古い感じがするけど、そもそも作品自体も古いのであんまり気にならない。今だったら尼さんとは言わない気がする。

エピローグに入る前、本編の最後が本当に凄かった。あのあたりのどこか半ページだけでも星5は決まる。

スヴィドリガイロフが本当に良いキャラクター。あまりに下卑てるけど人間らしい。

覚えておきたいのはラスコーリニコフが後悔していないということで、罪の意識に苛まれて自殺するんだろうなという当初の予想とは全然違ってた。100人殺せば英雄、といった軽い言葉で片付けられるような思想じゃない。

ずっと内容が濃い。日本中の文系の卒論これだけで補えそう。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

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人は自分が犯した罪を隠したいが、どういうわけか話さずには居れない。時間が経てば経つほど、罪は罰としてはっきり自覚される。

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいるあいだ中、ずっと、
人間、人間…!
と感じていた。

理性と感情にあふれ、振り回され、うちつけられ、
翻弄されつづける、この人間というもの。

以下、各章の簡単なメモとラストシーン。
・・・

第一部
1
2酔っ払いのひどい家庭
3妹の幸せな結婚の手紙
4ベンチ酔っ払いの娘
5駄馬が撲殺される夢
6決行しに行く
7決行

第二部
1警察署で督促
2証拠隠滅、苛まれる
3ラズミーヒンの介護
4名推理
5妹の旦那。
6警官を煽り、現場でも煽る
7酔っ払いの事故死、母妹がくる

第三部
1母妹を追い出す
2翌朝、旦那からの手紙
3結婚に対する母兄妹の口論
4ソーニャ(酔っ払いの娘)登場
5ポルフィーリイ、非凡の特権について
6うなされ殺人呼ばわりされ帰宅し新顔が登場

第四部
1妹に言い寄っていたスヴィの無茶な提案
2ピョートルと家族の言い合いと破談
3母妹をラズミーヒンに託し去る
4ソーニャの人生への揺さぶり
5ポルフィーリィ聴取
6殺人呼ばわりしてきたただの男

第五部
1ピョートルと同居人の人間、結婚等の会話
2母カテリーナのひどい法事
3ピョートル、ソーニャに盗人の濡れ衣
4ソーニャへの罪の告白
5母カテリーナの発狂とスヴィへの発覚

第六部
1スヴィ気になる。ラズミーヒンと会う
2ポルフィーリィからの自白勧告
3スヴィとの口論
4スヴィとの口論2
5ドゥーニャとスヴィのやりとり
6スヴィの自殺
7母と妹へのお別れ
8ソーニャとの別れ、大地への接吻、自白

エピローグ
1その後の顛末、母の死、シベリアの様子
2ありふれた罰に対する苦しみ、ソーニャへの和解、愛、別のものがたり

ラストは、ソーニャへの愛に目覚め自分をさらけ出す。一人の人間が生まれ変わり、新しい現実を知るものがたり、それは新しい作品のテーマになり得るであろうが、ーこのものがたりはこらで終わった。
で終わり。

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2021年10月19日

Posted by ブクログ

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星野智幸の『俺俺』みたいな表現を借りれば、「俺」がいた。大仰な詭弁を実践してしどろもどろするロージャも、自分中心の行動の直後に他者へ施しをし自殺をするスヴィドリガイロフも、なぜか自分から苦しみを受けに行こうと自白をしたミコライも、全員「俺」だった。

裁判の最中に、盗った財布の中身も確認しなかったことを不審がる法廷の人々が描かれる。しかし読者にはロージャのその時の気持ちを知っているから、どうして不審がってあるのかが逆に不審にも思えてくる。そういう客観的な論理では説明できない感情を人間は(少なくとも私は)持っているのだと思う。

ドゥーニャにロージャが自分の思想を説明するシーンにも迫力や説得力があった。自分の中の思想を散々述べた挙句、今のは全部嘘なんだと口にするロージャの気持ちは、とてもよくわかる気がする。

「行くよ。いますぐ。ぼくはこの恥辱を逃れるために、川へ身を投げようとしたんだよ。ドゥーニャ、だが橋の上に立って水を見たときに、考えたんだ、いままで自分を強い人間と考えていたのじゃないか、いま恥辱を恐れてどうする」と彼は先まわりをして、言った。「これが誇りというものだろうな、ドゥーニャ?」

この後にドゥーニャは兄に誇りがあることを知って少しではあるが気持ちが和らぐ。恥とか、誇りとか、死への恐怖とか、あるいは自信とか、そういういろんな気持ちが混ざってるロージャの気持ちが分かるようなシーンだからとても好きだ。

何度も自白を躊躇うロージャが醜い。だけど分かる。なぜなら自分も躊躇うことを知っているから。一度心を決めて警察署へ向かったのに階段を降りて帰ろうとするロージャは本当に醜い。だからこそ私も彼を許したいし、私も許されたい。このときソーニャはどんな気持ちで彼を待っていたのだろう。

みんな弱いし、みんな強い。みんな何かに頼っている。そういう複雑な心理のもとに人々の暮らしはなされているし、だからこそ救いを求めてしまうのだと思う。

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2023年01月04日

Posted by ブクログ

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人を殺しても許される人間と許されない人間。
ラスコーリニコフは自分を特別な人間であり、前者だと考え、殺人を犯す。だが、実際は、バレるのではないかと精神的にも状況的にも追い詰められていく。神を信じる慈悲深いソーニャに愛し愛される事により、人間らしさを取り戻し、生きようする力を得る。
スヴィドリガイドフと運命を分けた事は何かを考えさせられた。
登場人物がクセのある人ばかり。貧しいが気位が高く、すぐに気がおかしくなり、なかなか理解が難しかった。

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2022年11月23日

Posted by ブクログ

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重厚な人生賛美作品
そして、信仰への回帰

読む前は、タイトルから勝手に連想して、
もっとドス暗い犯罪小説と思ってた、、(笑)

社会構造の上層も下層も、
もはや「人間性」は欠如しており、皆損得を勘定したり、他者は操作可能といったような思考にまで至ったりしている。

こと主人公においては、
"「合理的」であれば殺人も許される。"
と結論づけ、実行する始末。

結果的にソーニャは勿論、ラズミーヒンや母妹などの「愛」によって全ては再生し、浄化されていく。

………途中書き

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2022年06月09日

Posted by ブクログ

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本を読んでいると、自分の考えと、そして人間としての底の浅さみたいなものを突きつけられることがある。まさに、罪と罰を読んでいる時だった。

どうして人を殺してはいけないのか。あいつは悪い奴だから、自分が気に入らないからと言って、殺してはいけないのか。
言い方が乱暴だが、偉いから人を殺していいとか、自分の善性(自分が正しいこと)を証明するためにとか…

そんな深いことが書いてあるとか考えないで、軽い気持ちで手に取った自分を殴りたい。

罪を犯した後の彼の挙動は、鬼気迫るものがあり…私までクラクラしてきてしまった。

2人の命を奪った彼だが…そんな彼を愛してくれる人がいて、それが、元は彼が心の優しい青年であることを証明している。
罪とは何か。そして罰とは何か。
罰とは、身体的なもの(刑務所での7年間)ではなく、罪を犯した後の彼を襲う苦悩や、彼を愛して、心配して、大切にしてくれた人たちを裏切っていること。そしてそれらに悩まされることであり、それこそが(法的な意味を除いて)、人を殺してはいけない理由なのではないかと思った。


文章自体は読みやすく、クズも出てくる訳だが…所々ゲラゲラと笑いながら読んでしまった。
色んな年代の、色んな人に読んで欲しい。

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2021年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人的には上巻よりもこちらの方が面白くてサクサク読めた。
一度読んだだけでは罪と罰というものの本質を理解する事が出来たかわからないが、犯行前から自首するまでのラスコーリニコフの心理描写や行動には随分と引き込まれた。

ただ、ラスコーリニコフはかなり恵まれていたと思う。
息子思いの母親、兄思いの妹、世話焼きで親切な友人。
そして愛を与え、受け止めてくれる存在となったソーニャという女性。
それ以外にも、予審判事として最大限の情けをかけてくれたポルフィーリイや、同じような罪と罰を背負いながらも結果としてソーニャやドゥーニャを救う行いを選んだスヴィドリガイロフ(名前難しすぎ笑)も忘れてはならない。
彼らの存在がなければ確実にもっと悲惨な結末になっていたはずである。

その結果、現代の法律や価値観と比べるとまた違うのかもしれないが、2人の人間を殺害した刑事罰としては明らかに軽い判決となり、最後には希望を見出すまでになった。
だからといってラスコーリニコフが全く苦しまなかったわけでもないし、むしろこれでもかというくらい苦しんでいた。

宗教的価値観の違いもあるだろうし、個々人の考えの違いともなれば無数にあるので正解はないのだろうが、罪に対する正当な罰とはなんなのかという事を改めて考えさせられる作品だった。

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

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読み始めてからきっと酷い終わり方を迎えるのではないかと予想しながら読んでいたのでラストは少し拍子抜けした部分もあったが、救いのある終わり方でよかった。

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2022年08月05日

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