【感想・ネタバレ】狭き門のレビュー

あらすじ

早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。残された日記には、彼を思う気持ちと“狭き門”を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた……。

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Posted by ブクログ

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すごく寂しく辛い愛と信仰の葛藤を描いた作品
・いのちに至る門は狭く、その道は細く、これを見出す者少なし
・その門は、2人で並んで入るには狭すぎますの
寂しく辛い戦いの後に、彼女は狭き門に入れたのだろうか

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2025年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

祖母の家にあったので読んでみました。
フランス文学だけあって難しかったですが
アリサの
「死ぬってものはかえって近づけてくれるものだと思う。生きているうちに離れていたものを近づけてくれるもの」
その文章に惚れました。
この文章から彼女は心底ジェロームを愛してたのだなと感じました。
彼女は母親の不倫などで徳を積むことばかりを考え妹の幸せすら願った。けれど本心はジェロームへの恋のために徳を積もうとしてたかもしれない。
最後の日記には彼に当ててる文章が多く神ではなくジェロームを求めてることがわかり胸が痛くなりました。
彼女は狭き門ですら彼と行こうとも考えてもいました。
亡くなった彼女は離れていたものを近づけようとするものを彼に与えれたかもしれない。それはジェロームだけが知ることなのでしょう。

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2023年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔に書かれた作品で、読みにくいかなと思っていたがそんなことはなかった。
それと、名著ということもあるのか、内容は共感できる文章が多かった。
書くと長くなるので全てを載せないが、特に共感できたのはこれだ。
「 おそらくそれは、その幸福がいかにも実際的なものであり、たやすく手にはいり、しかも《注文どおり》にできているために、それが魂をしめつけ、窒息させるように思われる」
 自分自身、こんなことで喜んでいいのかと生きていて感じることがあり、アリサと同じく、最高の歓喜を求めていたのだ。それを見つけるのは、正に、"狭き門"だけど。
 でも、そんなものばっかり求めていると、アリサ同様身近な幸せが見えなくなるのも事実だから、程々にするのがいいのかな。
 本文に度々出てくる、聖書本文がいい味を出してると思う。

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2022年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アリサの美しさ、挙動、そのすべてが繊細なガラス細工のように描かれている。本当に、主に導かれるかのように、天上に召されてしまった。幸福に手を伸ばすこともできたろうに、そうしなかったアリサ。ジェロームを思うと、ジュリエットを思うと、まぁなんとも言えない複雑な思いになるのだけれど、きっとアリサは母の不義を自らの原罪のように感じてしまったのではあるまいか。私はキリスト教徒ではないのではっきりとしたことはわからないがやはりりっぱだったと思わずにはいられない。そして今まで興味を持てなかったヨーロッパ庭園の美しさの片鱗を垣間見ることができた。華やかな表面だけを見ていたが、そこには華やかさと喜びとともに、やっぱり深い思想や悲しみも埋まっていたのだ。

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2016年06月25日

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ネタバレ

純粋な少年と破滅欲求のある少女の恋愛小説
という印象の作品です。

幸福になることを病的なまでに恐れている少女が魅力的でした。
著者ジッドの自伝的作品でもあるとのことです。

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2015年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これは爪痕が深く残る作品。

早く父を失ったジェロームは少年時代から夏を叔父のもとで過すが、そこで従姉のアリサを知り密かな愛を覚える。しかし、母親の不倫等の不幸な環境のために天上の愛を求めて生きるアリサは、ジェロームへの思慕を断ち切れず彼を愛しながらも、地上的な愛を拒み人知れず死んでゆく。遺された日記には、彼を思う気持ちと“狭き門”を通って神へ進む戦いとの苦悩が記されていた…。

ジェロームを拒み続けるアリサの頑なさが理解できず、終始苛立たされたものの、読者に刻まれた爪痕こそ、この作品の訴求力の証でしょうか。

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2025年10月12日

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