【感想・ネタバレ】春の城のレビュー

あらすじ

学徒出陣、基地での激務と空襲、マリアナ沖大海戦、父や恩師、そして恋人を奪った広島の原爆の惨状……。第二次大戦に遭遇した一人の青年の友情と恋愛、師弟愛と肉親愛とを、入念な筆で情趣ゆたかに描いた著者の処女長篇。激動の時代と生きながらなお、溌剌たる若い生命の感受性、健康で素直な生活感情と故国への愛、掛替えなき青春という時の、一つの姿を浮彫りにする。読売文学賞受賞。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

青春小説といえば、青春小説。

途中までは。

原爆以降の描写が痛い。
死が彼を避けていったような気持がした。
そして「運命が軽く扱われる」のは、戦前も戦後もさして変わらないんじゃないかと思った。

終戦以降、日本人が水に流して忘れてしまった苦悩が浮かび上がる。
きっと、もう誰にも思い出してもらえないだろう、この矛盾は。

0
2013年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この書の題名は杜甫の「春望」から取ったらしい。開戦から終戦の時代の学生・軍令部で働く主人公・耕二や友人、そして先輩の妹・智恵子が戦争に巻き込まれ、悲劇が次々生まれる。原爆が落ちた広島の描写があまりにもリアルで凄絶!そして東京空襲で焼け野原になった首都。このような時代の中で、軍令部勤務の男女の恋が進行し、耕二・智恵子の芦屋・夙川周辺のデートなどが微笑ましく、悲しい。著者の自伝小説に近く、青春を奪われた多くの人生に思いを馳せさせられる。

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2013年11月28日

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