あらすじ
学徒出陣、基地での激務と空襲、マリアナ沖大海戦、父や恩師、そして恋人を奪った広島の原爆の惨状……。第二次大戦に遭遇した一人の青年の友情と恋愛、師弟愛と肉親愛とを、入念な筆で情趣ゆたかに描いた著者の処女長篇。激動の時代と生きながらなお、溌剌たる若い生命の感受性、健康で素直な生活感情と故国への愛、掛替えなき青春という時の、一つの姿を浮彫りにする。読売文学賞受賞。
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Posted by ブクログ
青春小説といえば、青春小説。
途中までは。
原爆以降の描写が痛い。
死が彼を避けていったような気持がした。
そして「運命が軽く扱われる」のは、戦前も戦後もさして変わらないんじゃないかと思った。
終戦以降、日本人が水に流して忘れてしまった苦悩が浮かび上がる。
きっと、もう誰にも思い出してもらえないだろう、この矛盾は。