あらすじ
国税か、富裕層か、はたまた国税OB税理士か? 最後に笑うのは誰だ?「日本―香港」で起きた巨額の脱税事件。国税最強部隊出身の著者が圧倒的な臨場感で描く!知られざるタックスヘイブンの真実。
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Posted by ブクログ
不動産に関する巨額の取引で得た所得に対する課税逃れをしようとする経営者と、それを幇助する税理士、そして全身全霊でその摘発をしようとする国税庁の統括国税実査官(情報トージツ)の争いを描いた小説。
最初は課税逃れをする人物が中心だが、ほとんどは国税の実査官中心で描かれる。経営者の課税逃れはいったん成功するが、最後はまだひと悶着ありそうに締めくくっていて、国税側よりの物語になっている。
これは著者が国税OBなので当然であろう。
租税回避スキームやその調査についてはなかなか知ることの無い分野なので非常に興味深かったが、登場人物の心理描写や風景描写、ユーモアに入れ方はどこかアマチュア感がした。
海外を使った租税回避スキームの実行と国税に関して多少知るには面白い小説だと思う。
Posted by ブクログ
小説なのか私小説なのか…
内容はとても興味深いテーマだし、脱税スキームや、それを企てる人たち対国税の戦いは、おもしろいのですが、文章がおもしろくなく、だれかの日記でも読んでるようでなかなか先に進めなかったです。
Posted by ブクログ
この小説は、脱税者と国税の戦いを描いたもので、香港のタックスヘイブンを利用しているところが特徴だが、ストーリー展開も盛り上がりも文章力もまあ普通で、つまらなくはないが、手放しで称賛するほどおもしろいわけでもない。
この手の本では、脱税スキームの解説や、各国税制の違い、税務当局の組織の違いなどを説明してくれることが多いが、分かり易さと興ざめの両立が難しく、どちらにころんでも小説をスポイルしかねないようだ。そのせいか、ドキュメンタリーまたは事実に基づいた小説のほうが、それらの解説も内部に取り込めてしまうので、おもしろく感じるのだろう。事実は小説より奇とも言うし。
本書は、国税局に勤務した経験のある筆者のため、国税当局の内部の動きには詳しいが、それはストーリーの一部でしかないから、小説全体としてはちょっとパンチに欠けるきらいがあるように感じた。