あらすじ
第一回島田荘司推理小説賞受賞作
2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。
仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが? SF的設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。アジアから逆輸入された21世紀本格ミステリーの傑作登場。
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Posted by ブクログ
仮想空間で産み育てていた死んだ娘が間違って人を殺してしまったという話。縁は仮想であっても義理であっても、血の濃さではなくその人その人の性格・資質によるところが大きいのだろうなあと感じた。
ギミックとしては、仮想空間で現実の80%の力が出せるというのがやや疑問だった。相対的な制限ではなく絶対的な制限(○○キロ以下)を設けるのが、MITでドクターまで取った研究者なら、やることなのではないかと。それもソフトウェアではなく現実世界のハードウェア側に。ただそこを制限してしまうと殺人事件が起こらなくなってしまうから無理なのかな。まあそこがやや不満だったので☆4です。