あらすじ
精神科医が自ら執筆する同名映画の原作小説。
毎年、東京大学に何人もの合格者を送り込み、「受験界のカリスマ」と呼ばれるようになった五十嵐透。富も名声もすべて手に入れ順風満帆の人生だったが、ある日突然がんで余命1年半と宣告される。五十嵐はコンビニで偶然出会った高校中退の貧しい少女・真紀の存在にひかれ、自分の持つすべての受験テクニックを注入して彼女を東京大学に合格させようとする。マスコミでも注目の精神科医・和田秀樹が自らメガホンを取った同名映画を、彼自身の筆で小説化。東大合格の受験テクニックとがん緩和ケアの情報もたっぷり詰った著者渾身の書き下ろし。
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Posted by ブクログ
ドラマとして10年近く前に人気が出た「ドラゴン桜」は、一般的にも知名度があると思うので、ストーリーの流れは似ていると最初に伝えておきます。
しかし、フィクションとしての内容は個人的には本作の方が好きなんです~。
理由としては、
・ドラゴン桜より、リアリティを感じられるストーリーと受験対策の内容
(作者の和田秀樹さんは、灘高→現役で東大理科Ⅲ類合格、家庭教師としての実績を持ちつつ、精神科医でもある)
おそらく、本編を読んで頂ければすぐに感づくと思いますが、
主人公で中学生レベルの学力から東大合格を目指す真紀に、受験の真髄を教える五十嵐は、作者本人と似た経歴を持っています。
さて、個人的な想像ですが、和田さんからは2つのメッセージが含まれているのではと思います。
ひとつは、世の中はやり方を知っている人が世間的な勝ち組になれる社会だけども、和田秀樹さんが持っている現状を打開する方法論は、誰にでも有効だから頑張ってくれ!
というメッセージと、
主人公の1人、受験の真髄を教える五十嵐は、ストーリーの最初では自分が世間的な勝ち組であり続けるために、和田秀樹さんが持っている方法論を使い続けています。
しかし、余命宣告をされることで、貧乏人で高校中退の真紀を東大に入れて人生を変えさせるために、和田さんの方法論を駆使するようになります。そして、真紀との二人三脚によって五十嵐はそれまでとは違った形で満たされていきます。人生は、観ようと思ったものが目の前に現れてくるものなのかな??と思いました。
ちなみに、本作は同じタイトルで映画化もされています‼
Posted by ブクログ
サクッと読めるけど、受験生にこの本を読んでる暇はないし、読むと焦るだけかも。読むなら受験生になる前に。受験勉強もIT化が進んで今これだけで良いかは微妙。前提に主人公の女の子が最初から頭の回転が早く、努力家の素質が既にある。
先生が磨けば光るダイアモンドを見つけた感じ。
でないと、さすがに東大は…。
ただ、格差からの学力差は今ますます大きな社会問題となっているし、そこを突くストーリーはとても共感。勉強姿勢自体は不変のものだと思う。
もう一人の主人公である先生が、最期の時間をかけて一人の少女に生きる力を与えるのは涙です。
Posted by ブクログ
すごくすっきりした物語。読み易いし、エンタメに特化していた。誰にとっても理解しやすいシンデレラストーリーで、そこに受験テクニックが散りばめられており、そのどれもがしっかりとした経験則や分析に基づいているように感じた。その学習観には賛同できるところが多かった。ビリギャルの二番煎じのような形にはなるだろうが、ビリギャル読んだことないし、さっと楽しむ分には十分。最近この手のお涙頂戴のあからさまな展開にですら心打たれるくらいに年老いてきている気がする。