あらすじ
【坪田譲治文学賞受賞作】両親を事故で亡くした小学生の太輔は「青葉おひさまの家」で暮らしはじめる。心を閉ざしていた太輔だが、仲間たちとの日々で、次第に心を開いてゆく。中でも高校生の佐緒里は、みんなのお姉さんのような存在。卒業とともに施設を出る彼女のため、子どもたちはある計画を立てる……。子どもたちが立ち向かうそれぞれの現実と、その先にある一握りの希望を新たな形で描き出した渾身の長編小説。
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Posted by ブクログ
ただ重いだけの話じゃなくて希望が見える素敵なお話
最後に太輔くんがみんなに行かないでって言えたことが、ずっと本心を黙っていた太輔くんにとって大きな成長だと思った。よかったね
Posted by ブクログ
児童施設にいる5人の子供達が、それぞれ抱えている悩みや厳しい現実を乗り越えようとする姿に感動した。逃げる事は負けじゃない。必ず、また新しい出会いがあるという言葉に、主人公と一緒に泣いてしまった。結局、最後まで子供達の悩みは変わらず、それぞれ自分で壁を乗り越えるしかない。でも5人で見たランタンの記憶が、ずっと励ましてくれると思う。子供だから流れに逆らう事ができない、そんな息苦しさと、流された先でも希望は必ずみつかると、信じる強さを感じた作品。良かったです。
Posted by ブクログ
様々な理由で親と暮らせない子どもが集まる施設での物語。家族の都合で大学受験を諦めることになった子のために、小学生だけで密かな作戦を決行する。
朝井リョウはどうしてこんなに小学生が感じるものを書くのが上手いのか。なんとなく感じる年上の気持ちや大人の事情だったり、小学生の交友関係がリアル。
『密かな作戦』にはそれを達成できたら、というそれぞれの子どもの思惑が最後に回収されたのがよかった。
Posted by ブクログ
評価の高い作家の、評判のいい作品でしたが、わたしには合いませんでした。
両親を事故で亡くした小学校3年生の太輔は、「青葉おひさまの家」で暮らすことになりました。
実はその前に伯父夫婦に引き取られたのですが、暴力という虐待行為を受けたため、施設入所となったのです。
小学生から高校生まで何十人もが暮らしている施設ですから、割と大きい施設だと思いますが、太輔は1班のメンバーとして、共同生活を送ります。
1班は太輔と同じ年の淳也、淳也の妹で小1の麻利、お母さんの暴力からの一時避難的入所の小2の美保子、親戚に病気の弟の入院費用を託し、自分はここに入所した中3の佐緒里の5人。
まずこの5人で大部屋っていうのが不自然。
いろんな事情で入所してきているこの中には、年齢相当の精神状態にはない子もいるだろうし、小学生4人を中学生の女の子が面倒見てるという班編成は、子どもの負担が大きすぎる。
しかも3年後までメンバーの入れ替わりなし。
6年生の男の子2人と高3の女の子が同室って、明らかに無理があるでしょう。
それぞれの事情を抱えながら施設に入った子どもたちは、互いに距離を縮めていくのですが、基本的に大人に甘えないし頼らない、というのが気になりました。
施設の大人も見守っているのでしょうが、年齢差の大きな子どもたちを何人の職員で見ているのか、ちょっと大人の目が届いていない時間が多すぎるとも思いました。
高校を卒業したら、施設を出ていかなければなりません。
その前にどうしても「願いとばし」という、ランタンを飛ばす市の伝統行事を復活させたいという強い願いを子どもたちが持った時、もっと大人たちを信じてほしかったと思いました。
学校と施設の連絡も不十分です。
もっと日ごろから連絡を密に取っていたら、スムーズに復活させることはできたはずなのですから。
だから子どもたちに、目的のためなら手段を択ばない、という選択をさせてほしくはなかったです。
その方が感動的な展開になるとしても、です。
学校もいろいろ問題ありです。
施設管理にも、物品管理にも問題はありますが、一番ひどいのはいじめの放置です。
教科書のドアを開けると、一人だけ離れたところに席が作られているってことは、先生が気づかないわけないじゃないですか。
『世界地図の下書き』
これから自分の人生で作り上げていく、自分の世界の地図は、何度でも書き直し可能なんだよっていう作家の主張はよくわかりました。
それはとても大事なメッセージだと思います。
だから余計に、暴力をふるう大人がいても、鈍感な大人がいても、頼りない大人がいても、それでも、寄り添ってくれる大人も、戦ってくれる大人もいることを、子どもたちに見せてあげてほしかった。
そのうえで、気持ちだけでは解決できないようなことが起きた場合には、逃げたっていい。
逃げた先に延びる道の太さは、これまでと同じ。
逃げるだけではなく、大人に頼ったりするのもありだ、と、そう、大人が言ってあげてほしかったなあ。
Posted by ブクログ
・逃げない。逃げても良い。
・部活の顧問にパワハラされて自殺しちゃった子のニュースを見て、「何で逃げなかったのか?」「逃げる選択肢は幼少期に培われる」って考えた朝井さんスゴ
・家族がいることで「どこにも行けない」こともある
Posted by ブクログ
世間の理不尽さに打ちひしがれながらも、お互いを見守り合い力強く進もうとする子ども達の姿に何度も涙が溢れた。
努力しても、他人や環境を変えることはとても難しいことが多い。
次の場所を選択することでしか解決できないこともあるが、それは一般的に「諦め」や「逃げ」と捉えられネガティブな印象を与えがちだ。
しかし、一歩踏み出す怖さを乗り越えてしまえば、その先にあるかもしれない幸せを掴む可能性もあること、また上手くいかなくても挑戦と可能性は無限なのだと本書は教えてくれる。
みんな何かと闘いながら、何度も選択を繰り返し人は歩んでいくのだと。
優しい言葉で読みやすく学びもありました。
Posted by ブクログ
施設で暮らす子どもたちが、それぞれの家庭の事情やクラスでのいじめなど困難に直面しつつも、互いを思いやり、支えあう様子を描いたストーリー。
同じ施設のお姉さん的な存在、佐緒里は家庭の事情で、高校卒業後、進学を諦め地元に戻って働くことになる。その前に佐緒里の夢を叶えようと、子どもたちは、学校でランタンを飛ばす計画を立てる。
施設を離れる子どもに対し、佐緒里が、
"私たちはまた私たちみたいな人に出会える"、"いじめられたら逃げればいい。笑われたら笑わない人を探しに行けばいい。逃げた先にも、同じだけの希望があるはずだもん"と語るが、最後に"そう思ってないと負けそう"との本音を洩らすところは、泣けてきた。
Posted by ブクログ
身寄りを無くした太輔にとって、養護施設の同じ班の仲間達は同士であり家族なのだと思いました。亡くなった母の面影を年上でしっかりした優しい佐緒里に重ねてしまう、太輔の心細い気持ちが切ないです。そんな佐緒里に見せようとしたランタン飛ばしは、班のみんなそれぞれの希望が詰まった感動的なものでした。子供たちの未来が、たくさんの大切に思える人との出会いに満ちたものであってほしいと願います。
Posted by ブクログ
両親を事故で亡くしてしまった太輔を中心とした、施設の仲間たちの話。
佐緒里の大学進学の話が無くなり、せめて夢を叶えさせたいと蛍祭のランタン飛ばし復活を子供達だけでがむしゃらにやり遂げようとする。まだまだ希望は形にならず、現実は厳しい状況に終始モヤモヤしてましたが児童文学という事知って少し納得しました!
2025年9月23日