あらすじ
老後貧困、貧困老人といった言葉が流布する現代社会。高齢者世代の「困窮」は、万引きの現場に目を移すとその輪郭をハッキリと現す。万引きに走る原因は収入、貯蓄の不足、無収入といった金銭的な困窮はもちろんだが、孤独感や疎遠な家族関係といった心の寂しさ、肉体的な病気や心の病などの苦しみから物を盗む老人が急増している。捕まえて話を聞くと、それぞれが抱える身の上話に思わず同情することもあれば、あまりの身勝手さに怒りに打ち震えることも。凄腕万引きGメンが明かす老人万引き「現代ニッポン孤独な心」の現場リポート。
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Posted by ブクログ
万引きGメンの離職率が高くて
自殺までする人もいる
ということに 共感と同情をしてしまう
正しいことをしてるのに 本当に生きるか死ぬかという人も 捕まえなきゃいけないし 優しい気持ちを持っていても 嘘をつかれて また再犯する 絶望を感じてしまうよなぁ
Posted by ブクログ
万引きは犯罪である。しかし、止むを得ず万引きをする人はいつの時代でもいる。が、現在は老人が万引きをする割合が高くなってきている。その理由は「金がないから盗る」だけでなく「得したいから盗る」「寂しいから盗る」が増えてきているのだ。寂しい社会になったものだ。
Posted by ブクログ
内容は、万引きを捕まえる仕事をしている保安員である著者の体験談。
通称『万引きGメン』と呼ばれる保安員は、民間の警備会社などに属しており、万引きに困っている商店などからの依頼で派遣されてくるということを、はじめて知った。
『買い物客を観察して、万引きをつかまえるんでしょ。』と簡単そうに考えていたが、実際にはかなり大変な仕事であり、結構入れ替わりが激しいとのこと。
そんな著者が経験するのは、老人の万引きの多さ。
発行された2016年時点で、すでに金のない老人たちが増えているらしいが、コロナ禍を過ぎた今(2022年)万引き老人たちは更にふえているのだろうか。その後の状況が気になる。
Posted by ブクログ
現役万引きGメンでもあるフリーライターが、万引き犯罪者、特に老人の万引き犯にターゲットを絞って、万引きの手口から逮捕に至るまでの経緯、そしてその高齢者が万引き犯罪を起こすにいたった背景について書いたノンフィクション。
テレビでよく見かける、警察24時間ものなどに登場する万引きGメン。
筆者は現役の万引きGメンであり、現在もその仕事を続けている。
テレビの特集と本書の違いは、テレビが絵になる場面ドラマになる筋書きのみを切り取って放送するのと異なり、本書では様々な高齢者万引き犯の実例、そして、その犯罪を犯したものの背景について、絵になりにくい部分背景について書かれていること。
人は実に多くの理由から犯罪を起こす。
テレビ等では、多くの理由を貧困等に結び付けて放映しがちだと思う。しかし、貧困は万引きを犯す一つの理由とはなり得るが、すべて貧困が万引きに無図日着くものでは位ことは明らかである。
その、様々なケースについて詳細が書かれているため、読んでいてやりきれないような気持ちになる事例も散見される。
憲法25条を機能させるように働くのが、国の正常な機能なのではないか、などとまでも考える。