【感想・ネタバレ】異郷の友人のレビュー

あらすじ

阪神大震災を予言し、信者を増やす淡路島の新興宗教。教祖Sはイザナキ、イザナミの国生みの地で、新たな世界創世を説いていた。ある日、アメリカ西海岸の秘密組織から男たちが訪ねてくる。彼らは何を企んでいるのか。すべてを見通す僕とは、いったい何者か? 世界のひずみが臨界点に達したとき、それは起きた――。大注目の芥川賞候補作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

回りくどさと軽快さのバランスが絶妙な文章。
記憶だけを知っている人物たちが、偶然の重なりで山上の前に集結するのに、少年漫画みたいな熱さがあった。最後まで読むとタイトルの意味が分かってグッとくる。
スツナキミの正体は「無」だというけれど、全てを無に帰してしまうような津波が起きても、世界は無にならないし、大再現は起こらない。ずっと続く世界に、人間はただ存在する。それは虚しいけれど、裏を返せば、どんな事が起きても人間の存在は無くならないという事を強く示す、大きな希望でもあると思った。最高の作品。

0
2018年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前世の記憶をいくつも持っている我輩、そして今は山上甲哉。

今世は普通の平凡な一般人として人生をまっとうするはずだったけれど、
我輩の意識の中にはある人物の記憶があった。

ひとりはJといって、ハッカーとして大変頭の切れる男でありながらも、自分の能力を活かし切れずにいる自意識の塊のような人物。
もうひとりはSといい、淡路島で新興宗教の教祖をしている人物。

我輩である山上甲哉が、Jに自分の存在を知らせるために送ったメールは
Jの所属する組織のEに気づかれ

EとJ、同じ組織のMは
教祖のS、教団だった早乙女や北海道にいる山上甲哉に会いにくる。

JとSの記憶を覗くことができ、Sを通してEと早乙女の記憶も覗けて
地震による津波で、それぞれの運命は別れ、我輩はまた新たな人間となる。

不思議な話。読むのに時間をかけすぎた。

0
2018年05月25日

「小説」ランキング