【感想・ネタバレ】クロイツェル・ソナタ 悪魔のレビュー

あらすじ

嫉妬のため妻を殺した男の告白を通して、惨劇の理由を迫真の筆に描き、性問題に対する社会の堕落を痛烈に批判した『クロイツェル・ソナタ』、実在の事件に自身の過去の苦い経験を交えて懺悔の気持をこめて書いた『悪魔』。性的欲望こそ人間生活のさまざまな悪や不幸、悲劇の源であるとして、性に関するきわめてストイックな考えと絶対的な純潔の理想とを披瀝した中編2作。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

「愛」とはなにか。
それは一般に語られる愛とは大きく違う。
それが見える者に訪れる苦悩を描く。
愛し合うから、体を重ねる。そんなことは起こりえない。そこに因果関係は存在してはならない。し、するはずもない。ただただ、欲望でしかない。

言語ゲームか、それとも人間の本性か。
果たして回収しどころのない、永遠の苦悩、それを解決できずに、作者、トルストイは死んでいったのだろうか。
また我々もそのように死ぬしかないのだろうか。

0
2015年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トルストイの本って長いから読みたくないと思ってたんだけどこちらはどっちも短編でお手頃。ものすごく恋愛とか性愛に否定的な考えを持っている筆者の自戒的でもある主張がありありと、伝わりすぎるくらい伝わってくる小説。この人本気で「みんなも姦淫だけは絶対に避けたほうが良いよ!人生狂わされるから!」って思ってたのかな。それはそれですごい事だ。あと小説としてはオチがしっかりしてて秀逸。「クロイツェル・ソナタ」のほうは序盤から中盤にかけてまったく場面が移動しないからつまらないけど「悪魔」の方は気にならない。

0
2011年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

望ましいのは絶対の純潔を続けることであり、徹底的に一夫一婦の原則を守り通すことがいいと考えているトルストイ。道楽は絶対許してはならないというメッセージ性が強い。
「クロイツェル・ソナタ」嫉妬や思い込みが激しく、勢いで妻を殺してしまう。ベートーヴェンの作品だが何度か出てくる。
「悪魔」すざまじい話…性欲っておそろしい。最後の結末はもうひとつ別のパターンもあって、エヴゲーニイはステパニーダを射殺したものがあるとのこと。どっちの結末も救いがない。だめだ。。トルストイ自身の実話も絡んでいるようだ。面白かった!

0
2025年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

トルストイの性に対するストイックな考えが描かれた「クロイツェル・ソナタ」「悪魔」を収録。
嫉妬に駆られ妻を殺した男の独白による「クロイツェル・ソナタ」。もう一方の「悪魔」は性に対して潔癖な男がもたらした悲劇を描く。

0
2014年07月07日

「小説」ランキング