あらすじ
現代ソマリランドと室町日本は驚くほど似ていた! 世界観がばんばん覆される快感が味わえる、人気ノンフィクション作家と歴史家による“超時空”対談。世界の辺境を知れば日本史の謎が、日本史を知れば世界の辺境の謎が解けてくる。中島京子さん推薦「脳天にハンマー直撃。目から鱗ボロボロ。」【小見出しより】外国人がイスラム過激派に狙われる本当の理由/ソマリアの内戦と応仁の乱/未来に向かってバックせよ!/信長とイスラム主義/伊達政宗のイタい恋/江戸の茶屋の娘も、ミャンマーのスイカ売りの少女も本が好き/独裁者は平和がお好き/妖怪はウォッチできない/アフリカで日本の中古車が売れる知られざる理由/今生きている社会がすべてではない
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Posted by ブクログ
星を見ると言うことは、同時に過去(の星の姿)を見ることであるように、現在の『辺境』(ソマリアやミャンマー)を見ることで日本の過去の社会への理解が進むというのは、不思議なようでいて、全く不思議じゃないようで。同じ人間なんだな。
そして、歴史学者とノンフィクション作家の対談のはずが、読んでいるうちにどっちの発言かわからなくなることが多々あって、その辺りもとても面白かった。しかし、話題がどれだけ変化してもお互いにボールに食らいついていけるのは凄い!
この二人の著作を読みたくなった。
Posted by ブクログ
この本では、
「現代の辺境地域」と「日本の中世」に共通する
行動や習慣を面白がる所から
対談が繰り広げられていきます。
日本の中世と
アジア・アフリカ諸国の共通点で
興味深かったのが、
1.倫理観
日本の中世では複数の法秩序が重なっていたように、
現代のアジア・アフリカ諸国でも
近代的な法律と伝統的・土着的な法や掟が
ぶつかり合い、それが相反しながら社会で成立している。
2.未来の概念
日本語の【先日・後回し・先々・後をたどる】は、
「アト」「サキ」を使った言葉で
未来と過去を指す正反対の意味がある。
ソマリ語でも同じように使う「アト・サキ」に当たる言葉がある。
日本の中世では未来はアトで背中側、サキは過去の意味しかなかった。
3.恋の歌
日本の平安貴族のように
ソマリ人は恋愛の作法としての詩歌が伝統として残っており、
歌を詠むことが男性のたしなみとなっている。
放牧中に少し離れた所から歌を投げかけているらしい。
まったく離れた時代や国で
起こる人間の行動が
似通ってくるということが面白く紹介されています。
世界の辺境と呼ばれる人たちや
中世の人が何故そう考え、
行動するのかがわかってくると
少し親近感が湧いてきました。