あらすじ
「俳句」に秘められた閃きと発想力は何なのか? 芭蕉は最高の「脳トレ」をしていた?! 脳科学者と俳人が語る俳句の魅力と俳句の深さ。異色の日本人論。
日本人のひらめきの原点は俳句にあり
▼俳句がひらめくときと脳
▼「五・七・五」という余韻
▼夏目漱石の俳句観
▼桑原武夫「第二芸術」への反論
▼暇になったら俳句はできない
▼言葉が訪ねてくる瞬間
俳句脳の可能性
芭蕉も脳トレをしていた? 言葉の不思議な営み
俳句を作ることは、結局は自己の発見につながっていくと思います。 黛まどか
ある俳句を作りました。それは完了じゃない。それは、その人の人生を継続して変えていく力がある何かだということ。 茂木健一郎
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Posted by ブクログ
季節を感じる。
さまざまな人生経験を通し、余白を見る。
日常のささいなこと。
脳科学者である茂木健一郎氏と俳人である黛まどか氏。
各々の俳句論と、対談が載せられた一冊。
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以下3点、自身の中で留めておこうと思った。
①日常のささいなことを大切に。
日常から生じた言葉というひらめき。
繊細な言葉を育んできた民族である日本人だからこそ
「花冷え」:単に寒いでなく桜が咲くころの冷え。
「花筵(はなみしろ)」「花衣」「花の客」「花の雨」桜:日本人にとって特別
「遣らずの雨」
:訪ねてきた人を帰らせないために降る雨 帰ってほしくないと大切な人
「桜狩」「紅葉狩」「蛍狩」「虎が涙雨」
朧月だな 菜種梅雨だな 薄紅葉だな
ポエティックなことばを知ることで発見が増え、感性が磨かれる。
感性と語彙、それは車輪。俳句とは車輪を回し続けること。
ピアニストが練習を続けるように、俳句の畑を耕し続ける。
②ひらめきには弛緩と緊張。
ただシャンプーをしているときにぱっとひらめく。
再発見。直感というより体験。ひとつのモチーフをめぐって体験が重なる。
豊かさとは視点をたくさんもつこと。
「日常の目」「表現する目」(畑)「詠む目」(表現しようとする目)
実態の背後にある真理、普遍的な真理、奥底に隠された真理が見えてくる。
贅肉を付けすぎると濁っていく。
③俳句「定型」「季語」「切れ」「余白」言葉にならない余白こそ意味がある
意味は動かないけれどもイメージは広がる=いい俳句