あらすじ
もう何年も、不眠で悩んでいる大学生の結月。ある春の日、住んでいるマンションの二階に、平日の夜中だけOPENする不思議な喫茶店があるのを見つける。店主は、「眠りを盗んでいく猫」の噂を集めている風変わりな青年、榊真臣。店は、眠れない長い夜を過ごす人のために開けているのだという。結月は、居心地がよく、珈琲の美味しいこの店に通うようになるが……?
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Posted by ブクログ
印象深いのはp256
榊が屋上で結月に語った最後にちゃんと眠った日に見た夢のこと。彼岸だとかあの世だとか、とにかくあっち側の世界なんだろうと思った。と語っている。その榊の見た夢の描写がきれいだった。
榊と結月が最初に会ったのも屋上で、飛び降りそうになってる(勘違いしてる)状態が逆転してるところもいい。初対面の頃より二人の心の距離はぐっと縮まってるのもよくわかる。
p274の結月の描写も好き。
〈ロココスタイルの椅子に腰かけているせいもあって、長いまつげを伏せて眠る姿はどことなく絵画的で、老人は一瞬写真に収めたいような顔をしたが、榊はさりげなくその視線から結月を隠した〉
イラストのことも少しだけ。
全7話の扉の絵と表紙の絵の共通点は夜空。そして黒猫の痕跡。ただ4と5と7話に猫は描かれていない。6話のキャンバスに向かっている小夜子のイラストは夜空よりも青空を大きく描いてるところも興味深い。
統一されてて素敵なイラストです(*^^*)