あらすじ
高売り、値引きなし!高収益企業に共通している行動とは?
高収益企業に見られる共通の行動とは、戦略的なプライシングを実行していることである。
本書で解説している中核の概念としての「顧客価値創造プライシング」を体現しているからこそ、顧客の満足と企業収益のバランスがとれているのである。
サービス業のみならず、技術力と製品開発能力を持つモノづくり企業に必要なものとは、利益を確保するための顧客価値を創造するプライシング戦略と事業環境変化に対応したマーケティング戦略の実行である。
本書には、経営者、マーケティング責任者やブランドマネージャーに必要不可欠な知見とヒントが凝縮されている。
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Posted by ブクログ
チェック項目10箇所。低価格は一時買うための動機付けにはなるが、その刺激にも慣れて当たり前のことになると、もっと買いたいという欲求には繋がりにくい、今こそ利益志向の価格決定権を自社が取り戻すときではないか。顧客は価値交換するためにコストを支払うが、そのコストを支払った後の残り、つまり「得した! 良い買い物した!」「これでやっかいごとが片づく」「楽しい思いができる」と思う分が顧客価値であると定義できる、その差が大きいほど顧客満足を生み出すのだ。社員を規則で縛っても限度があるし、退職者の口に戸は立てられない、最大の防御策は企業の理念と行動を一致させ、社員も共感して行動してもらうことにつきる。利益を上げるためにまず「誰をお客様にするか?」を考えるべきである、顧客(市場)には様々な嗜好の顧客が存在する。人の動機付けで最も大きいものはニーズに対し自分の状況を少しでも改善したいという欲求(ウォンツ)だ、人は多くの場合、具体的に「これが手に入れば自分のウォンツは満たされる」ことは知覚している、そのニーズを満たすための手段を明確に意識してブランドを指名買いするというウォンツを起こさせればしめたものである。ペルソナをつくる……製品を開発、改良する際に、ユーザーの使い勝手を向上させるために人間工学や認知工学を踏まえ「人間中心設計」の観点から現実感のある個人を想定してデザインする。人は他人から何か嬉しいことをしてもらうと、何かお返しをしないといけない気持ちになる心理が働く、無料でサンプルをもらったり、価値のあるメルマガを無料で配信してくれたり、「でんかのヤマグチ」で病院にまで連れて行ってもらうような裏サービスを受けると、ここで買わないと悪い気がするという心理が働く。ターゲット顧客によってブランドイメージは全く異なるので、そのイメージを把握し理想のポジションを求めて提供価値そのものとコミュニケーションを変えなければならない。単に速いとか軽いなどという機能的価値は成熟した社会で差別化要因になることが難しい、それ故、情緒的価値の中核であるデザインやブランドをもう一度見直すことは、もう避けられない、そのためにはデザイナーでないビジネスパーソンもデザインの持つ力を信じ、「観察」などの調査手法や分析による問題発見・問題解決を行うデザイン思考を身につける必要がある。様々なマーケティング戦略を語っては来たけれど、顧客価値創造プライシングを実行して利益を得るには、意思強固なマネージメントと実行する組織力は欠かせない、このことを最後に強く主張したい。